「好きな人のどんな仕草にドキっとくる?」


 幻水1:1主セツナとルックの場合


「俺に気づいていないとき」
「それ仕草?」
「厳密にいえば違うけど、側にいるのに全然俺を認識していないって時がルック、あるから」
「あまり意識したことない」
「だと思う。ルック、基本的には気配に敏感だし、無視してても存在自体は認識してるんだよ。でも、最近気づいたけど、ルックは時々俺を忘れる。寂しいけど、嬉しいんだよ。そこまでルックの中に入り込めてるんだなーって。その横顔見てるとドキってして、ぎゅーってなる」
「頭の悪い表現だね」
「なんで、可愛いし分かりやすいじゃん、擬音」
「君が言っても気持ちが悪いだけだよ」
「あらま、酷い。一応聞いておくけど、ルックはある?」
「ない」
「うん、だろうと思った。始めから期待はしてな」
「わけでもない」
「…………時間差ツンデレ?」
「ひねくれてる具合なら君といい勝負だろ」
「馬鹿だなぁ、ルック。ツンデレとひねくれ者は全然違うのですよ! いいかな、ツンデレは正義、これ基本!」
「意味が分からない。で、結局僕は答えなくていいの?」
「そんなわけないじゃないっ! 是非とも声を大にして俺の魅力を、ばばんと!」
「手を洗っているとき」
「……ルック、手フェチ?」
「こいつは徹頭徹尾、心底、完膚なきまでに、自分のことが嫌いなんだな、と思うから」


**


残念ながら一切魅力は語ってもらえませんでした。






「好きな人のどんな仕草にドキっとくる?」


 幻水4:4主サイハとシグルドの場合


「ドキっとくる仕草……んー、シグルドといるとドキドキしてることの方が多いからなぁ」
「俺もです。サイハさまといるとドキドキしっぱなしです」
「でもこれじゃあ質問の答えにならないよね。そうだなぁ、ああ、あれかも」
「どれです?」
「本のページをめくる仕草」
「それは何でまた?」
「そもそもおれが本を読まないから、読んでる人の姿だけでもすごいなって思う。で、それが自分の好きな人で、好きな手で、好きな指が紙をめくってるから、ドキってする」
「サイハさま、俺の手と指、好きなんですね」
「うん。ていうか手とか指だけじゃなくて全部好きだけど」
「俺も、サイハさまのそういうストレートなところも含め全部好きですよ」
「おれ、基本的にぼさっとしてるからあんまりないかもしれないけど、シグルドは何かある?」
「サイハさま、自分でおっしゃるほど鈍くはないですよ? むしろ機敏な方だと思います」
「そうかなぁ……」
「少し言葉が人よりゆっくりなだけですよ。だから誤解されるんですね」
「あー、それはあるかも」
「誰かと話をしてて、何かを言おうと思って口を開きかけて、よくよく聞いたらその話題がもう終わってた、ってことに気づいたときのサイハさまのしょぼんとした顔とかにドキっとします」
「…………なんか、あんまり、嬉しくないよ、それ」
「俺ならそんな顔させないのに、って。サイハさまの言いたいことも言おうとしてたことも、何もかも全部聞いてあげるのに、って思います」
「……それは、嬉しい、かも」


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好き好き言い過ぎ。






「好きな人のどんな仕草にドキっとくる?」


 幻水TK:TK団長レッシンとリウの場合


「泣いてる顔。つかリウ、エロいんだよ。見てるとヤりたくなる」
「あのさ、レッシン、ひとを十八禁指定物みたいに言わねーでくんない? つか、そもそも質問と答えがずれてるからな?」
「なんで。ドキっとする仕草、だろ? ああまあ顔は仕草じゃねぇか」
「いや、そうじゃなくてさ。誰も『ヤりてぇと思う仕草』とか聞いてねーから」
「ドキッとするってのはそういうことだろ?」
「あー……いや、うん、まあ、いいか、いいよ、それでもう……」
「? いいならいいけど。仕草かぁ……。そうだなぁ、ストレッチしてるとことか?」
「ストレッチ?」
「そう、体動かす前に軽く筋伸ばすじゃん、いつも。動かしたあととかも。リウ、手も足も細くて長ぇだろ。なんつーのかな、ゴムみたい」
「ゴムってお前……」
「どんだけ引っ張って伸ばしてもきちんと戻ってきそうだなーって」
「……一応言っとくけど、引っ張ったら切れるからな、オレは」
「そうか? 結構伸びて広がるもんだぞ」
「何の話っ!?」
「で、リウは? ドキっとする仕草」
「やっぱりオレも言わなきゃだめ?」
「だめ」
「あー、そうだなー。強いて言うなら立ち上がるとこ、とかかな」
「なんだそりゃ」
「レッシンさ、魔物相手にトドメさすときさ、必ず大振りな技、出すじゃん。それこそ膝をつくくらい剣を振りおろしたりとか。そのあと、立ち上がった背中とか見てると、こいつは倒れねーんだろうな、って思う」
「オレだってこけたりするぞ?」
「うん、そりゃ知ってる。昨日も盛大にこけて膝怪我してたな。そうじゃなくて、こいつの芯は絶対折れないんだろうなーとか」
「んー、よく分かんねぇけど、それでリウがドキっとしてくれんなら、こけんのも悪くねぇな」


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そんなことを言って笑うものだから、リウがますますメロメロになる。






「泳げますか」


 幻水1:1主セツナとルックの場合


「この間コクウんとこでやってた水泳大会での背泳ぎ記録保持者だよ、俺」
「何であんたが意気揚々とあれに参加してたのかが僕には分からない」
「え、だってなんか楽しそうだったし」
「そもそも何で背泳ぎなの」
「そんなの、顔を水につけられないからに決まってるじゃないか!」
「真顔で嘘吐くの、やめてくれる?」
「真顔以外で嘘吐いても仕方ないじゃん。ルックは? 泳げ、なさそうだけど」
「泳いだことがない、試みる気もない」
「ルッくん、基本地面からも浮いてるもんね。基礎魔力アップの修行の一環だっけ? ずっと風を操ってたら疲れない?」
「走ったり泳いだりするよりは疲れない」
「なんていうか、体力的にじゃなく精神的に」
「別に」
「まあルッくん、風の申し子だしなぁ。逆に風がない方が落ち着かない?」
「そうかもね」
「つーことは、俺の最大のライバルは風ってことか」
「…………君、自然現象を相手に何するつもりなの」


**


「え? もちろん勝つつもりだけど?」






「泳げますか」


 幻水4:4主サイハとシグルドの場合


「ラズリルで水泳の訓練はあったよ」
「俺も訓練まではしてませんが、海は身近ですからね。自然に泳げるようになってました」
「一応おれたち船乗ってるしね」
「海賊が泳げないとか、さすがに微妙すぎますし」
「……あ、そっか。シグルド、海賊だった、ね」
「忘れてました?」
「うん。なんか、海賊っぽくないから」
「よく言われます。海賊っぽくした方がいいですか?」
「海賊っぽく……」
「ハーヴェイも、あまり海賊っぽくないですかね。ダリオとか、ジャンゴとか」
「あー…………ダリオはともかく、ジャンゴたちみたいなのは……」
「ジャンゴやブレックが苦手ですか? 何か理由でも?」
「……おふろ」
「風呂?」
「嫌いでしょ、あの二人。お風呂入らない人はちょっと……」
「サイハさま、綺麗好きですもんね」
「お風呂も好きだし、掃除も好きだよ。時間が空いたらこの船とか掃除して回りたいんだけど、いつもケネスとかに止められる」
「それは、そうでしょう。総大将が掃除してる姿はさすがにどうかと思います」
「でもさ、気にならない? こう、隅っこの埃とか。なんで箒を丸く使うの! って言いたくなる」


**


4様は掃除フェチ。
無言で黙々と掃除して、綺麗になったらいい笑顔を浮かべるタイプ。






「泳げますか」


 幻水TK:TK団長レッシンとリウの場合


「泳げるぞ! 池とか川でよくジェイルと競争した」
「お前らは今でも湖でやってんでしょーが」
「そりゃ、泳げる場所があるんだから泳ぐだろ、普通」
「泳がねーよ、ふつー」
「そういえば、リウは参加してこねぇな。泳げねぇの?」
「うん」
「……ずいぶんあっさり認めるな」
「隠しても仕方ねーし。がっつり泳ぎたくないってだけで、ふよふよ浮いたり軽く進んだりするくらいならできるし」
「あ、なんだ、完璧に泳げねぇってわけじゃねぇのか」
「泳げないって言ってるひとは、潜在的に水を怖がってんだよな。本来人体の構造的に浮かぶようになってんだから、余計な動きさえしなけりゃ、余計なものさえ持ってなけりゃ溺れることはねーはずだし」
「余計なもの?」
「服とか、そういうの。服着たまま水に落ちたら、とりあえず余計な服を脱ぐとこから始めろよ」
「じゃあマッパで水に落ちたらいいんじゃね?」
「……そいつは泳ぐ気満々なんだろーが。つか、頼むから、裏の湖にマッパで飛び込むなよ?」


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団長ならやりそうで怖い。




ブラウザバックでお戻りください。
2011.03.07
















いつか4様のお掃除教室、的な話を書きたい。