「友達に『この子猫の名付け親になってほしい』と写真を見せられました。どんな名前を付けますか?」


 幻水1:1主セツナとルックの場合


「お、黒猫。いいね、俺、猫好き。こいつの名前かぁ。『フリック』とか」
「それは止めた方がいい。ものすごく不運な猫になる」
「『ビクトール』とか『シーナ』とか『コクウ』とか」
「もう少し猫っぽいのを選べば?」
「だって、俺の周りで一番猫っぽいの、ルッくんだもん。人んちで『ルックー、ご飯よー』とか言われるの、ヤじゃん。それ、俺のなのに」
「一体いつ誰が君の物になったっていうの」
「えー、詳しく言おうか? あれはね、確か俺がコクウの城に……」
「黙れ」
「うぁい。で、猫の名前だっけね。そうだなぁ、『クレオ』とか『パーン』とか……あ、分かった、『テッド』だ! 決まり、この猫『テッド』な」
「……セツナ、君の右手の紋章がものすごい勢いで光ってる。本人は不服そうだけど?」


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魂を発光させての抗議。






「友達に『この子猫の名付け親になってほしい』と写真を見せられました。どんな名前を付けますか?」


 幻水4:4主サイハとシグルドの場合


「黒猫だよね。『ナルクル』?」
「……サイハさま、それはさすがにどうかと思います」
「えー……おれ、名前とか考えるの苦手……」
「あんまり深く悩まなくてもいいんじゃないですか? 見た目とか、雰囲気とかでつけたりしますよね」
「見た目……黒い」
「そうですね、黒いですね」
「丸い」
「まだ子猫ですしね」
「黒くて、丸い…………『おはぎ』?」
「あ、いいんじゃないです? おはぎ。可愛いですよ、それ」
「割ったら中からお餅が……」
「出てこないですし、そもそも割らないでください」


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4様はお腹が空いていらっしゃるようです。






「友達に『この子猫の名付け親になってほしい』と写真を見せられました。どんな名前を付けますか?」


 幻水TK:TK団長レッシンとリウの場合


「『クロ』とか『チビ』とか『ノラ』でいいんじゃね?」
「すっげー分かりやすいな、お前」
「名前なんか、呼びやすくてそいつだって分かりゃなんでもいいだろ」
「や、まあそうなんだけどさー。愛着の湧く名前の方がやっぱり良くね?」
「なんだよ、じゃあリウはなんて名前つけるんだ?」
「オレ? うーん、そうだなぁ。夜空みたいに黒いから、『ノクス』とか」
「ノクス?」
「どこかの古典語で夜、って意味だったはず。あとは『ウィン』とか」
「それはどんな意味だ?」
「どこかの占い文字で『喜び』を表す文字」
「へぇ。リウ、ほんとそういうのよく知ってんなぁ」
「まぁねー」
「ぜんっぜん役に立たねぇ知識だけどなぁ」
「……ほっといてくれるかな」


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古典ラテン語とルーン文字です。






「初恋はいくつでどんな人でしたか」


 幻水1:1主セツナとルックの場合


「あー、俺はあれだ、近所に住んでた女の子。俺より一つか二つくらい年上で、お姉ちゃんぶっていろいろ面倒みてくれようとしてるんだけど、なかなか上手くいかなくて癇癪起こしてるのが可愛かった」
「君は昔から性格がひねくれてたんだね」
「そんなことはないって。だって恥ずかしくて、その子に影から悪戯するくらいしかできなかったし。超ピュアボーイだったんだよ」
「……一度辞書で言葉の意味を調べたら」
「あはは、なに言ってんの、ルック。この俺様が間違った言葉を使うわけないじゃない」
「…………ああ、そう」
「で、ルックの初恋は?」
「………………」
「って聞きたいところだけど、無理はしなくていいよ、ぶっちゃけ俺、あんまり過去って気にしない方だし」
「そもそも始めから答える気はないよ」
「OKOK、問題なし。じゃ、ルックの初恋は俺ってことで!」
「どこをどう聞いたらそうなるのさ」


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会話が全くかみ合っていない。






「初恋はいくつでどんな人でしたか」


 幻水4:4主サイハとシグルドの場合


「…………」
「…………サイハさま、そんな期待されるような目で見られたら答えにくいです」
「だって聞きたい。初恋、どんな人?」
「そんなに楽しい話でもないですよ?」
「いいから、早く」
「……俺、昔はミドルポートに住んでたんです。で、母に頼まれて毎日牛乳を買いに出かけてたんですけど、その店番をしていたのがちょうど俺と同じ年くらいの女の子で」
「……可愛かった?」
「……ええ、まあそれなりには」
「ふぅん」
「…………分かってらっしゃるとは思いますが、昔の話ですからね?」
「…………」
「あの、拗ねられても可愛いだけなんですけど……」
「……可愛くないよ、おれ、女の子じゃないし」
「だから楽しい話じゃないって言ったじゃないですか。さあ、俺は話しましたよ、次はサイハさまの番です」
「おれ? おれも言うの?」
「もちろん。俺だけなんて不公平ですよ」
「…………おれ、たぶん、人間相手だと、特別だと思ったの、シグルドが一番始め」
「…………すごい嬉しい台詞なんですが、すみません、それ以上にすごい気になる言葉が……人間相手、ってどういう意味ですか?」
「すっごいつるつるしてて綺麗な、青くて丸い石をね、昔持ってて。それ、本当に大事にしてて、特別に好きだって思ったの、たぶんそれが一番始め」
「……石、ですか」
「うん、石」


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さすがにちょっとついていけないかも知れない、と自信をなくしかけるシグルドさん(25)






「初恋はいくつでどんな人でしたか」


 幻水TK:TK団長レッシンとリウの場合


「…………さあ、知らねぇ。オレの初恋っていつだ?」
「いや、オレに聞かれても。つか、シトロにいた頃から、オレらあんまりそういうことって話さなかったよなー」
「だよな。もっと話したいこととかいっぱいあったし。どうでもいい話ばっかりだったけど」
「普通オレらくらいの年だと、誰がカワイイだとかそういうことを話してそうなもんだけどな」
「あー、少しくらいはしてただろ、どれが可愛いとか、好みだとか」
「してたっけ?」
「してたしてた、抱きたいとか、頭撫でたいとか、毛を刈りたいとか」
「……それは羊の話だろ。せめて人類の話をしようぜ」
「つってもなぁ……強いて言えばあれか、シス姉とか、か。オレの場合」
「マリカじゃねーの?」
「そう言われればそうだな。考えたことなかった。とにかくシス姉の作る飯は美味ぇってことだけだったな」
「わーなにこのひと、すっごい餌づけされてるー」
「うるせぇな、男落とすならまず胃袋からって言うだろ。それに安心しろ、リウの場合は胃袋じゃなくて玉ぶくッ、いってぇッ!?」
「――ッ、お前一回死んでこいっ!!」


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……もうやだ、この団長……。




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2012.01.14
















団長が下ネタ要員に。