「恋人にプレゼントしたいもの」


 幻水1:1主セツナとルックの場合


「あ、ちょっとマジ回答していい?」
「……好きにしなよ」
「ピアス。ルックの身体に傷とかつけたくないけど、ピアス」
「何でまた」
「いや、ほら、ルッくん綺麗だから、絶対そういうアクセサリ類、似合うと思うんだよ。でも指とか腕とか、余計なものがあるとイヤでしょ?」
「まあ邪魔になりそうだしね」
「ピアスは小さいやつなら邪魔にならないしさ、綺麗だろうなーって」
「……ふぅん」
「はい、セツナさまのマジ回答でしたー。次、ルック。駄目もとで聞いてみるけど、何か俺にプレゼントしたいものとかある?」
「じゃあ僕もピアス」
「へ?」
「君が穴を開けるなら僕も穴、開けるよ」
「……マジで?」


**


ルックにデレ期がやってきた。






「恋人にプレゼントしたいもの」


 幻水4:4主サイハとシグルドの場合


「………………」
「…………あの、サイハさま」
「……………………」
「あの、そんなに一生懸命にならなくても、思いつかないならそれで構いませんから」
「…………やだ、考える。何かあげたい。いつも一杯助けてもらってるから」
「そのお気持ちだけで十分なんですけどね」
「……じゃあシグルドは? 何かある?」
「そうですね、俺は枕、ですかね」
「枕?」
「ええ、白くて丸くてふわふわしてて大きいのをこの間見かけたので」
「白くて丸くてふわふわ……」
「おまんじゅうみたいでしょう? ぱっと見たときにサイハさまの顔が浮かんだんです。今度買ってきたら受け取ってもらえますか?」
「――ッ、うん、うんっ!」


**


で、結局自分はあげたいものを答えられていないことに後で気付いて、
ちょっとしょんぼりする4様。






「恋人にプレゼントしたいもの」


 幻水TK:TK団長レッシンとリウの場合


「あー……ナイフ、かな。小刀。リウがいつも使ってるヤツ、もうだいぶ古いだろ」
「ああうん、最近刃零れもしてきてて買い替えどきだなとは思ってたけど……よく見てんね、お前」
「リウのことだしな!」
「……そりゃどーも。オレはそうだなぁ、何にしようかな」
「何だよ、思いつかねぇの?」
「や、思いつきすぎてどれにするか迷う。前にあげた剣の飾りもそろそろぼろくなってきてるから変え時だなとか思うし、お前最近背ぇ伸びたから、服とかも新しいのあげたいな、って思うし、寒くなってきたから防寒具もいるし、あとレッシン最近ずっとミルクティ飲んでるだろ? ミルクティ用の茶葉も探せたらな、とか」
「……リウもよく見てんなぁ」
「レッシンのことですから」


**


何だかんだ言って相思相愛。






「あなたの宝ものを見せてください」


 幻水1:1主セツナとルックの場合


「宝物? そんなのルックに決まってるじゃないか。この世のどの宝石よりも光り輝いているよ、俺のダイヤモンド」
「ひとを勝手に炭素にしないでよ」
「知ってる? ダイヤモンドの語源って、ギリシャ語なんだって。意味は『征服できない、懐かない』。まさにルックそのものだよね!」
「そっくりそのまま君に返すよ、その言葉」
「あれ? 俺、結構『意外に親しみやすいですね』って言われるのに」
「親しみやすいと懐くかどうかは別の意味だろ」
「……まあそうですけどぉー。で、ルックの宝物は?」
「ない」
「うん、そうだろうと思った。あれでしょ、強いて挙げるなら部屋にある本くらいなもんじゃない? あれ、わざわざこっちに持ってきてるってことはお気に入りってことでしょ」
「……そうだけど、よく見てるね、君」
「見てないとお思いで?」


**


「でも俺に対してくらいはもうちょっとガード緩めてくれても、あ、ごめんなさい、何でもないです」






「あなたの宝ものを見せてください」


 幻水4:4主サイハとシグルドの場合


「たからもの……この間シグルドがくれた、白くておっきくて、もふもふした、枕」
「気に入っていただけたようで、俺も嬉しいです」
「シグルドは?」
「俺はそうですね……物、というか光景、というか」
「光景? 景色?」
「ええ。俺が差し上げた枕に頭埋めて寝てるサイハさまの寝顔、ですね」
「……いつ、見たの、それ」
「二、三日前、ですかね」
「……あのとき、『今来ました』って、言わなかったっけ?」
「言いましたね、確か」
「……嘘ついた?」
「そういうことになりますね」
「…………普通もうちょっと悪びれない?」
「サイハさま、世の中には必要悪と同じような、必要嘘、ってものがあるんですよ」
「…………絶対嘘だぁ」


**


「ええ、これこそ『必要嘘』ってやつですね」






「あなたの宝ものを見せてください」


 幻水TK:TK団長レッシンとリウの場合


「宝物……」
「急に言われてもなぁ。レッシン何かあ、る……? ッ!? ちょっと待った、何言うつもりなのか分かった! 言わなくて良い、それは宝物じゃねぇっ、――ッ! だから脱ぐなって言ってんだろーがっ!」
「何でだよ、やっぱ男の宝つったらこれだろ」
「知らねーよっ、何でそうお前は下ネタにばっか走んのっ!?」
「まあ半分くらいはわざとだけど」
「だから何でっ!?」
「リウが慌てふためく姿が見てぇから」
「きっぱり言うなよ! 鬼っ悪魔っ人でなしっ!」
「リウ以外には全然そんなこと思わねぇんだけどなぁ」
「もーやだっ、何このいじめっ子っ!」
「ああまあ、鬼でも悪魔でも人でなしでもいじめっ子でも何でもいいんだけどさ、リウの宝物は?」
「はっ!? ッ、あ、あぁ、そっか、そういう話、だったっけ」
「何だよ忘れてんなよ、少し落ち着け」
「お、ま、え、が、言、う、なっ!」


**


団長、下ネタ、自重。
まあ、一番始めに思いついたのはこのやり取りなんですけどね。




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2012.01.14
















小ネタでしか書いてませんが坊ルクを書くのが好きです。