「恋人からプレゼントされたいもの」 幻水1:1主セツナとルックの場合 「ルックから貰えるならなんでも!」 「…………じゃあ、はい、これ」 「え、なになに? 愛のお手紙? うわっ、ルッくんから『バカ』のお言葉頂きました!」 「……君、プライドとかないの?」 「なにそれうまいの?」 「……可哀そうな奴」 「いや、っていうかまあね、ほんと、冗談抜きで、俺、ルッくんが何かしてくれるってだけでも嬉しくて舞いあがっちゃうから」 「……前言撤回、可哀そうで単純な奴」 「恋する男はみんな単細胞! しょーがない! で、ルックは? 物欲なさそうだけど、何かプレゼントされたいものとか」 「…………ないよ」 「だろうねー。ていうか、ルックの場合本当に欲しいものって、絶対手に入らないもの、だよね」 「僕が何を欲しているか、君、知ってるの?」 「知らない。たぶん知らない方が良い気がする」 「……そうだね」 ** 知らないからこそ側にいることが出来るという事実もあるのです。 「恋人からプレゼントされたいもの」 幻水4:4主サイハとシグルドの場合 「シグルド、答えて」 「え?」 「ほら、早く。欲しいもの、何?」 「そんな急に言われましても……。そうですね、恋人……サイハさまから……うーん、俺はサイハさまがゆっくり休んでくださっていたらそれだけでいいんですけど……」 「……何それ」 「だって、ここのところずっと遠征続きでしょう? そろそろ丸一日お休みの日があってもいいと思います」 「違う、おれが聞きたいのはそういうことじゃないよ。シグルドが欲しいもの」 「や、だから、俺はもともとそんなに物欲はないんで……あ、じゃあ、その丸一日のお休みに俺を付き合わせてもらいたいです」 「……それも違う」 「あれ? 駄目なんですか?」 「駄目とかじゃなくて、それ、普通だから」 「……俺、今の言葉頂けただけで十分です」 ** 「結局何が欲しいの、シグルド……」 「恋人からプレゼントされたいもの」 幻水TK:TK団長レッシンとリウの場合 「パンツ」 「…………レッシンさん?」 「や、ゴム、切れそうだから」 「ああああっ! もうっ! 買ってくる、新しい服とかと一緒に買ってくるから! つかなにそれ、別にオレじゃなくてもいいだろ、その役目っ!」 「は? リウの仕事だろ。オレ、リウ以外の奴が買ってきた服とかパンツとか、着ねぇよ?」 「――ッ、う、れしいんだか、何なんだか、すっげー複雑……」 「で、リウは? 欲しいもん言え」 「なんで、まいっかい偉そうかな、お前は。プレゼントされたいものなぁ……とくにコレってもんはねーかな」 「何で」 「や、何でって言われても。ないもんはない、」 「じゃあ、こないだ遠征に行った先で見かけた、明らかにエロ系の道具を端から全部買ってくるけど」 「あーっ! あった! 欲しいもんあった! 本! グレイリッジの古道具屋に積んであった歴史書全巻セット! いつか買ってやろうって思ってるけど、貰えたら嬉しい!」 「始めっから素直にそれを言えよ」 「……だから、なんで、そんなに偉そうなの……」 ** 団長だから。 「おにぎりを作ってください」 幻水1:1主セツナとルックの場合 「分かった、ルックのために素晴らしいものを作り上げてみせるよ」 「白米、嫌いなんだけど」 「ルッくーん、そういうこと言っちゃだめー。好きじゃないってだけで全然食べられないわけじゃないでしょ」 「まあね」 「よしできた! 刮目せよ、この芸術品を!」 「………………」 「『やぁ、ぼくミッ○ー!』 この耳がポイントね。それっぽいっしょ?」 「食べるの、僕なんだけど」 「どうぞどうぞ、一思いにがぶりといっちゃって。で、俺はどれ食えばいいの?」 「…………これ」 「うわぁ! ルッくんが真心こめて作ってくれた塩おにぎりだね! 何の具も入ってないね、これ、きっと!」 「よく分かったね」 「……ルック、せめて海苔くらい巻いてよ……」 「ほら」 「……自分で巻けってことですね! 分かります! 分かってます! 泣いてません!」 ** 「笑顔です!」 「おにぎりを作ってください」 幻水4:4主サイハとシグルドの場合 「おにぎり……山賊おにぎり、作る」 「なんですか、そのおにぎり」 「知らない? おっきくて、いろんな具が入ってる」 「へぇ」 「どっから食べても具が出てきて、全部違うから、三つの角から齧って大変なことになるんだよ」 「あはは、お皿とお箸が要りますね、それは。じゃあ俺の分はそれでお願いします。サイハさまの分は俺が作りますけど、中身、何がいいですか?」 「おまんじゅ」 「饅頭ってのはなしの方向でお願いします」 「…………」 「ていうかそもそも、おにぎりの中から饅頭出てきたらびっくりしませんか?」 「………………」 「しませんか……」 ** 山賊おにぎり、全国メニューではないらしいです。 「おにぎりを作ってください」 幻水TK:TK団長レッシンとリウの場合 「おにぎり? 良いけど、レッシン、作れんの?」 「米握るだけだろ? 作れるだろ、誰でも」 「ならいいけど。一応互いに食べるってことだからな? オレが食えるもん頼むぜ?」 「OK、OK、任しとけって!」 「……って言いつつ、なんで具を食ってんだよ、お前はっ!」 「うめぇぞ、このシャケ」 「そりゃ良かったね! いいからおにぎり作れ!」 「これ、なんだ? 肉か?」 「ああ、それは鳥そぼろ。ご飯に混ぜて食べると美味しい、ってだから、誰が混ぜて食えっつったよ、握れよ!」 「うめぇなこれも!」 「……なんかさ、もう、オレがおにぎり作らなくても、このひと、一人で腹いっぱいになってると思うんだけど」 「でも食うぞ、リウが作ったもんなら」 「……あっそ、アリガト。で、オレは何を食えばいいわけ」 「リウが作ったおにぎり」 ** 団長はきっぱりはっきり綺麗に、食べる専門。 ブラウザバックでお戻りください。 2012.01.14
坊ルクを……書くのが、すき、です…… |