「人生最後の二十四時間、何をして過ごしますか?」


 幻水1:1主セツナとルックの場合


「そりゃもちろん、ルックとの愛を深めているに決まってるでしょう!」
「深める愛を探すだけで二十四時間が終わると思うよ」
「んもう、相変わらずつれないなぁ。そこがまた魅力的なんだけど!」
「そのハイテンション、いい加減なんとかならない?」
「ルックがローテンションだからちょうどいいでしょ」
「……じゃあ僕がハイテンションになれば、君は落ち着くとでも言うの?」
「なってくれんの? ハイテンションに」
「いや、無理だけど」
「……だと思ったー。ちぇっ、ちょっと期待したのに。まあいいや、ルックは何して過ごす?」
「いつも通り、本でも読んでおくよ」
「えー……俺の相手はしてくれないの?」
「しなきゃいけないの?」
「ほんとにつれないなぁ……。しょうがない、ルックが相手してくれないなら、俺は最後の二十四時間にならないように原因を潰すってことにしとくよ」
「君なら二十四時間もあればなんとかできそうだよね」
「もちろん。諸悪の根源は完膚なきまでに粉々にしてすり潰して喰らい尽くしてあげる」
「お腹壊すよ」


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ルック、そういう意味じゃない。






「人生最後の二十四時間、何をして過ごしますか?」


 幻水4:4主サイハとシグルドの場合


「最後……。最後は嫌だなぁ……」
「サイハさま、一応、仮定の話ですからあまり真剣にならなくても」
「うん、でも、ね。ほら、おれの紋章ってこれでしょ。だから最後ってなると、やっぱりね」
「ああ、そう、ですね」
「逆に考えたらこれが最後、って分かってるから、むしろ助かるかもしれないね。一人になる場所を探せるし、確実に一人になれるだろうし」
「それはどうでしょうね」
「え?」
「だって、俺はついていきますよ? どんなところでも。最後はやっぱり一番大切な人と一緒にいたいですから」
「シグルド……」
「大丈夫です、そのときは俺も一緒に死ぬんですから、その紋章だってちゃんと眠ってくれますよ」
「……うん、そうだね」


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罰の紋章持ちに死に際の話はきついですね。






「人生最後の二十四時間、何をして過ごしますか?」


 幻水TK:TK団長レッシンとリウの場合


「え、ヤダよ。オレまだ死にたくねぇし」
「いやいやいや、レッシン、そう仮定してって話だから。質問の全否定は止めて?」
「いや、でもだってまだオレやりたいこといっぱいあるし。死にたくねぇじゃん」
「オレだってまだ死にたくねーよ! そうじゃなくて! 仮定の話だってのが何で分かんないかな!?」
「分かってて嫌だって拒否してんだけど」
「分かってないよね、それ!」
「あー、もう、分かった分かった、死にたくねぇけど、そこに目ぇつぶってってことだろ。じゃあ、うーん、そうだな、昼寝!」
「二十四時間昼寝? それもう昼寝じゃねぇよな」
「なんだよ、せっかく人が答えてやったのに。じゃあリウはどうすんだよ、最後の二十四時間」
「オレ? オレは、えー、どうするかなぁ……。確かにやりたいことはいっぱいあるけど、二十四時間で何ができるかって考えたらなぁ。どれも中途半端になりそうだし」
「だろ? だから、ほら、全部諦めて、スパッと寝る!」
「うん、それで寝れるレッシンはすげぇと思う。たぶんオレは無理だなぁ、いろいろ考えちゃって全然寝れなさそう」
「じゃあオレが一緒に寝てやる。なら寝れるだろ?」
「…………うん、じゃあそれで」


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リウ、少し諦め気味。






「人生最後の二十四時間、何をして過ごしますか?」


 幻水TK:マリカとジェイルの場合


「え、料理?」
「………………何故」
「死ぬまでに一度くらいは成功させておきたいじゃない」
「……今まで失敗している、という自覚はあったのか」
「まあねー」
「それをオレたちに食わせてたのか」
「あははは、まあいいじゃない、細かいことは。ジェイルは? 最後の二十四時間、何する?」
「飯、食ってる」
「ご飯?」
「マリカが料理するんだろ? だったら、それ食ってる」
「……なんていうか、うん。ありがと」


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自分で書いておきながらなんですが、このマリカは可愛いと思う。




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2010.03.30
















最後であってもマリカの料理はマリカの料理です。