「何色が好きですか? その理由も教えてください」


 ユーリとフレンの場合


「……青?」
「僕は紫かな」
「…………」
「…………」
「……ムカつくけど、お前の目の色、好きなんだよなぁ」
「僕はムカつかないけど、ユーリの目の色、好きだよ」
「あとは金色も好きなんだよな」
「僕も、黒は好きだよ。君の今の服はとても似合ってるし」
「オレには似合わないけど、白も好きだしな」
「結局ユーリは僕が好きなんだよね」
「そういうことになるなぁ、ムカつくけど」


**


認めるなよ、ユーリ。






「人生最後の二十四時間、何をして過ごしますか?」


 ユーリとフレンの場合


「ユーリとゆっくり過ごすよ。最後くらいは好きなことしたいしね」
「オレはあんまりゆっくりとかのんびりってガラじゃねぇんだけどなぁ」
「じゃあユーリは僕を置いてどこかに行くのかい?」
「っていうか、そもそもの前提に文句をつけたい。オレはまだ死にたくねぇぞ」
「それは僕だってそうだけど」
「なんだろうな、病気とかだったらあれだけど、そうじゃないなら二十四時間足掻けるだけ足掻くかもしれねぇな」
「君らしいね。じゃあ僕もそれに付き合おうかな」
「おう、そうしろ、そうしろ。お前とオレがやりゃあ、なんとかできなくても、一矢報いるぐらいはできるだろ」
「別にゆっくりできなくても、ユーリと一緒にいられたら僕はそれでいいしね」
「……なんつーか、よくもまあ恥ずかしげもなくそういうこと言いきれるな、お前」


**


でもユーリも同じこと思ってる。






「折角髪の毛を切ったのに、誰も気づいてくれません。どうアピールしますか?」


 ユーリとフレンの場合


「や、別に何もしねぇけど」
「僕も」
「終わったな、質問」
「終わったね。どうする? 帰る?」
「さすがに帰るのはどうよ。もうちょっと駄弁っとくか」
「髪の毛について? 僕はユーリの髪の毛、好きだよ」
「そらどーも。オレもお前の髪は好きだぜ。柔らかいし。撫でまわしたくなる」
「ユーリに頭撫でられるのは好きだけど、たま僕を犬か何かと勘違いしてる? って思うことがある」
「あー……ちょっと否定できねぇ、かも」
「ユーリ?」
「そんな睨むなって。だってお前、反応が犬っぽいんだよ」
「何それ」
「嬉しいと嬉しいって前面に出すだろ。そりゃもう、にっこにこ笑って抱きついてきてさー。あんときのフレンに尻尾つけたら絶対ぶんぶん振ってる。間違いねぇな」
「……僕が犬だとしたら、ユーリは猫だね」
「オレが?」
「気まぐれで我儘で、気が向いた時しかすり寄って来なくて。でも甘えるときはごろごろ甘えて。すごい綺麗な黒猫」
「……猫、嫌いか?」
「いいや、大好きだよ」
「そりゃ良かった。オレも犬、好きだぜ」


**


分かったから、どこでもかしこでもいちゃこくな。






「白ご飯に牛乳。あり派? なし派?」


 ユーリとフレンの場合


「僕は平気だけど、あれ? これってダメな人がいるからこういう質問がある、ってことだよね?」
「一般的にゃ駄目な方が多いかもしれねぇな」
「あ、そうなんだ。それは知らなかった……」
「まあオレも平気だし、そもそも食い合わせとか贅沢なことは言ってらんなかったしなぁ」
「皆に助けてもらってたから、食事なしってことはあまりなかったけどね」
「それ考えると今は幸せだよな、とりあえず自分の好きなもの食える」
「そうだね、そうかもしれないけど」
「けど?」
「どんな御馳走よりも、ユーリが作るものが一番美味しいよ」
「贅沢な奴だな、お前。騎士団で良い物食ってるだろうに」
「うん、でもやっぱりユーリの味が好き」
「あー、はいはい、分かった分かった。今度飯作ってやるから」
「ほんと? 嬉しいな、すごく楽しみだ」
「きっちりデザートも付けてやるから、残さず食えよ?」
「デザート……ああ、うん、もちろん。お皿まで舐める勢いで頂くよ」
「……いや、皿は舐めなくていいけどな?」
「そう? じゃあお皿じゃないものを舐めればいいのかな?」
「………………」

**


さらっと下ネタ。






「利き手はどちらですか?」


 ユーリとフレンの場合


「僕は右」
「オレ、左」
「あのね、今だから言うけど、ユーリが左利きになったのって僕のせいだと思うんだよね」
「あ? どういう意味だ?」
「だってほら、子供の時にさ、向かい合ってご飯食べてたじゃない?」
「ああ、まあ今でも飯食う時は向かい合ってるけどな」
「で、僕が右手で食べるでしょう。向かい合ってるユーリは、僕と同じように食べようと思ったら左手を使わないといけないんだよね」
「そりゃそうなるだろうけど……そんなことで?」
「小さい頃のユーリってなんでも僕と同じようにしたがったじゃない。僕もそうしてくれってお願いしてたし」
「あー……」
「結構当たってるっぽくない?」
「……否定できねぇのがムカつく。つーことは、お前と並んで飯食ってたら、オレは今頃右利きだったのか」
「そういうことになるけど、絶対あり得ないよね」
「なんで」
「だって、並びあったらユーリが見えないじゃない」
「オレを見てても腹は膨れねぇだろ」
「でも心は膨れるから幸せになれるよ」


**


互いを補い合う意味でわざと左利きになった、と妄想。




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2011.03.07
















この二人の会話を書くのは楽しいです。