「好きな人のどんな仕草にドキっとくる？」 ユーリとフレンの場合 「改めてそんなこと聞かれてもなぁ」 「ユーリは何かある？」 「あー、服脱いでる時とか？」 「それはどういう意味で？」 「ああそりゃまあそのあとのことへの期待ってのもあるけどな。そうじゃなくても、お前、顔、綺麗じゃん」 「ユーリの方が綺麗だよ」 「いや、だからそうじゃなくて。よく言われんだろ、王子様みたいだって。実際下町ん中でもお前の顔、浮いてたもんな」 「ユーリもだと思うけど」 「オレはいいんだよ。で、その王子様みてぇな面したやつが、だ。ばっさばっさと豪快に服を脱いでく姿ってのも案外いいもんだぜ？」 「脱ぎ方が雑だって言いたいの？」 「まあ有体に言えばそうだな」 「ユーリに言われたくないなぁ。あと、ユーリの前でしかそんな雑な脱ぎ方にはならないと思うよ」 「そらまあ、オレの前で余所行きの猫かぶる必要はねぇけど」 「違うよ、余裕がないってこと。だってユーリが目の前にいるんだろ？ で、僕は服を脱いでる。それは脱ぐのが雑になっても仕方ないよね」 「…………。お前は何かねぇの？ フレン」 「そうだなぁ。ドキドキハラハラっていう意味でのドキッ、なら数え切れないほどあるんだけどね」 「間違いなくそういう意味じゃねぇな。つか何、オレにはドキっとしねぇっての？」 「うーん、ていうか、さっきも言ったけど、ユーリに関して僕は常に盛ってるようなものだからね。ドキっとするだけの余裕もないし、」 「…………」 「これといって取り立てるべきものはないかな、って……あれ？ ユーリ？」 「そうだよな、お前はそういう奴だった。ちょっとヘコんだオレがバカみてぇじゃん……」 ＊＊ メーターは振りきれてます。 「好きな人のどんな仕草にドキっとくる？」 カロルとレイヴンの場合 「わーい、小ネタ初登場！」 「少年、少年。あんまりそういう発言はしないほうがいいわよ、たぶん」 「そう？ でもだって嬉しいじゃん！ で、質問は何？ 何に答えればいいの？」 「えーっとね、『好きな人のドキっとする仕草』ですって。カロル、何かある？」 「……これ、事前に質問を聞いてからここに来たいなぁ。ぱっと思いつかなくない？」 「んー、あんまり深く考えなくていいんじゃない？ そうねぇ、おっさんは、カロルが一生懸命おっさん見上げてる仕草にドキっとくるわねー」 「ちっさくて悪かったな」 「バカねー、ちっさいから可愛いって言ってんでしょーが。少年、いつも一生懸命だもん。一生懸命首傾けて、一生懸命爪先で立って、一生懸命抱きついてくるから、もう俺様、毎日ドキドキしっぱなしよ？」 「……でも、ねぇ、じゃあレイヴン、ボクがもし今より背が伸びたらドキドキしなくなるの？」 「カロルは今より背が伸びたら、一生懸命おっさんを見てくれなくなるの？」 「それはないよ、絶対！」 「だったらおっさんも絶対ないわね。ていうか、少年が俺を見てなくても、ね。もう逃がしてあげないんだから」 「……ッ」 「こんなおっさんはイヤ？」 「……や、じゃない。ていうか、ドキドキ、する」 ＊＊ 折角なので小ネタに組み込んでみました。 「泳げますか」 ユーリとフレンの場合 「泳げるよな、オレもお前も」 「まあね。帝都の隅にある小さな池でよく遊んでたっけね」 「川はな、汚ねぇから入るなって言われてたし」 「生活用水を流すからね。さすがにあの中に入ろうとは思わないよ」 「泳ぐのもオレ、お前に勝ったことねぇよな」 「そうだっけ？」 「そうなんだよ、何やったって勝てなかった。あ、唯一潜水の距離だけは勝ったかな」 「ユーリは体が柔らかいし、動きがしなやかだから水の中で進める距離に差が出るんだよね」 「あんときお前、かなり悔しかったろ」 「……そうだったかな？」 「いーや、オレは知ってる。一人でこっそり練習してたろ。でもオレに勝てねーっつって不貞腐れてた」 「……ユーリの動きをずっと観察してたんだけど、自分でそう動こうと思ってもできないものだよね」 「なんならまた勝負すっか？ 今なら勝てるかもよ？」 「遠慮しておく。今水着のユーリを見たら競争どころじゃなくなっちゃう自信があるから」 「……そんな自信、捨てっちまえよ」 ＊＊ とりあえず捕まえて、押し倒します。 「泳げますか」 カロルとレイヴンの場合 「泳げるよ！ ちょっとだけど」 「おっさんはそもそも水自体が苦手だからねぇ」 「あーそっか。海とか全然だめ？」 「や、大丈夫なのは分かってんだけど、なんとなくね、避けちゃうのよ」 「塩水とかで錆びたりとかするの？」 「いやいや、錆びない錆びない。錆びた魔導器とか、聞いたことないわ」 「だったら、良いじゃん。ていうか、結局レイヴンは泳げるの？ 泳げないの？」 「泳げるわよん。ざっぱざっぱとそれはもう、マッコウクジラのように」 「……たぶん、マッコウクジラをたとえとして持ってくるのは間違ってると思うけど。でも泳げるんなら、今度皆で海に遊びに行こう！」 「お、いいね、いいね！ おっさん、そういうレジャー好きよ。女の子たちが水着着てくれるんなら、喜んでお供しまっす！」 「……レイヴン？」 ＊＊ 本命はカロルだけど女の子を愛でるのも生き甲斐らしいです。 ブラウザバックでお戻りください。 2011.03.07
レイカロを組み込み始めた頃。 |