「友達に『この子猫の名付け親になってほしい』と写真を見せられました。どんな名前を付けますか?」 ユーリとフレンの場合 「あー黒猫か……次はなんだっけな?」 「確かXじゃなかったかな。『Xan(ザン)』くらいしか思いつかないけど」 「あ、オレ前に『Xeno(ゼノ)』ってやつに会ったことある」 「いいね、『ゼノ』。じゃあそれに決まり」 「いつからだっけな、黒猫見たら順番に名前つけ始めたの」 「Aから始めてね。次でYだから25匹目?」 「二人一緒に見たら、って条件付きの割に多いよな」 「よく続けてるよね、僕たちも」 「下らねぇから続いてるんだろうよ」 ** ちなみにQの子は性別関係なく「クイーン」だと決まっていたそうです。 「友達に『この子猫の名付け親になってほしい』と写真を見せられました。どんな名前を付けますか?」 カロルとレイヴンの場合 「えーっとね! えーっと! 『元気いっぱいにゃん太郎』!」 「……少年、女の子だったらどうすんの」 「じゃあ、『可愛さいっぱいにゃん子』ちゃん!」 「分かった、カロルは名づけセンスゼロ」 「なんだよ! そういうレイヴンは、どんな名前付けるっていうの!?」 「えー俺様? そーだねぇ、『リリー』とか」 「リリー……ずいぶん可愛い名前だね」 「『ナージャ』とか『アリス』とか、『ティナ』とか『スージー』とか」 「……待ってレイヴン、全部女のひとの名前っていうのが気になるんだけど」 ** 「そ、そりゃあ、この子猫ちゃんが可愛いから、可愛い名前をだね……」 「ふぅん?」 「初恋はいくつでどんな人でしたか」 ユーリとフレンの場合 「初恋のひと……僕の場合は、いくつかは覚えてないけど、すごく可愛くて綺麗で、ちょっと口が悪くて意地っ張りで照れ屋だけど、優しくて強い子だったな」 「…………」 「ユーリは?」 「あー……オレも年は覚えてねぇけど、頑固で融通が利かなくて曲がったことが嫌いで、口開けば小言ばっかりで」 「ユーリ……」 「でも、いつも真っ直ぐで、太陽みたいにきらきらしてるヤツ」 「ありがと、ユーリ」 「つか、始めからお前だって答えた方が早くなかったか、これ」 「だって、『いくつでどんな人でしたか』だから、具体的に言わないと」 「ああ、まあそうかもしれないけど」 「もっと具体的に言おうか? ええとね、色白で手首が細くて、さらさらしてる黒い髪の毛も紫の目もすごく綺麗で、耳の後ろと顎の下が弱くて、あと体が柔らかいから結構いろいろな体位が、」 「黙れ、変態」 ** 団長という役職の人は下ネタに走る傾向があるようです。 「初恋はいくつでどんな人でしたか」 カロルとレイヴンの場合 「ハツコイ……えーっと、言わなきゃ、だめ?」 「んー、そうねぇ、おっさん的にはちょーっと気になるかなぁ。あのナンって子?」 「ッ! 違う違う! や、ナンが嫌いってわけじゃないんだけど! ナンはどっちかっていうと、怖いお姉ちゃんみたいな、そんな、感じ、だし……」 「じゃあ誰? どんな子?」 「んー、ほんと、憧れてただけなんだけどね? 多分ボクより五つか六つくらい上のひとで、ナンより先に行くとこないならおいで、ってギルドに誘ってくれて。結局怖くてそのギルドからもすぐに抜けちゃったけど……」 「へぇ。ちなみにその年上のひとってどんな感じのひと?」 「えっと、髪が黒くて長くて、ちょっと怖くて、剣も強くて、でもすっごい綺麗だった」 「…………なんか、身近にそういう知り合いがいなくもない気がするけど、まあ置いときましょか。ていうか、少年って年上好み?」 「え? そ、そうなのかな、考えたこと、なかったけど……」 「そうってことにしときなさいな。そしたらおっさんもちょっと安心」 「? なんで?」 「分かんないならいいわよ、気にしないで」 「うん、いいけど……。ねえ、レイヴンは? 初恋のひと」 「えー……さすがに昔すぎて覚えてないわー。どうせおっさん、十年前に一回死んでるし」 「レイヴン」 「うん、だからね? 一回死んで、また新しく生まれて、で、たぶん一番真面目に恋しちゃってるのが今だから、今のおっさんの初恋は少年ってことで」 ** 一回り以上も年の違ういたいけな少年を丸めこむ中年、の図。 ブラウザバックでお戻りください。 2012.01.14
比較的中の良いカップルだと思います、ここの二組は。 |