「恋人の浮気を発見!」


 カイトとレンの場合


「目の前で大泣きする」
「それ、ほんと?」
「さあ、どうだろうね。兄さんは? 俺が兄さん以外のひとと一緒にいたらどうする?」
「どう、って言われても……」
「兄さん以外のひとと手を繋いだり」
「手……」
「キスしたり」
「う……」
「兄さん以外と抱き合ってたりしたら?」
「…………っ」
「うん、とりあえず泣いちゃうくらい悲しいってことは分かった」


**


この二人の話もちゃんと書きたい。






「恋人の良いところ、悪いところ」


 カイトとレンの場合


「……こいびと?」
「まあまあ、兄さん、とりあえず俺相手にってことにしといてよ」
「ああ、うん、それはいいけど……レンの良いところと悪いところ、だよね。うーん、すぐには思いつかないかなぁ」
「そう? 俺は兄さんの良いところはたくさん出てくるよ?」
「……たとえば?」
「素直なところとか、優しいところとか。何も知らないところとか、音ゲーがすごい上手いところとか」
「普通のアクションゲームはレンの方が全然上手いじゃない」
「そうなんだよなぁ。兄さん、マリオのクリボーで死ねるのに、音ゲーだけは絶対勝てないから悔しい」
「一つくらいは勝たせておいてよ」
「…………こっちは一つどころか負けっぱなしなんだけどなぁ、兄さんには」
「? 何か言った?」
「や、何でもないよ。で、俺の良いところと悪いところ、思いついた?」
「えーっとね、レンもすごく優しいよ? さりげなくいろんなことを手伝ってくれたり。ちょっと照れ屋だから、言葉使いが乱暴なときもあるけどね。努力家だし、なんにでも一生懸命だし、おれよりしっかりしてるし、カッコイイし」
「ごめん、兄さん、さすがにそこまでべた褒めされると恥ずかしい」
「……そう? ほんとのことなのに」
「ああ、もう、これだから天然は……」


**


天然には勝てない。






「今使っている武器を選んだ理由を教えてください」


 カイトとレンの場合


「武器? おれ、別に戦わない、けど……?」
「兄さんはアイスでしょ、アイス」
「じゃあレンはバナナだね」
「……殺傷能力、低いね」
「投げつけられたら嫌だ、っていうくらいだよね」
「ああ、そりゃまあ嫌だけど。バナナって。俺はドンキーコングJrかっつの」
「地味にムカつくよね、マリオカートであれ、やられると」
「兄さんはトラップに引っ掛かりすぎなんだよ。なんでことごとくBOXに引っ掛かるかな」
「……だって……アイテムBOXそっくりなんだもん……」
「いや、そりゃトラップだからね。ていうか、どれだけ体を傾けても画面の中のカートは曲がらないからね?」
「分かってるよ、そんなこと。体が自然に傾いちゃうの!」


**


アイスとバナナで戦っても、バナナアイスが出来上がって終わり。






「何色が好きですか? その理由も教えてください」


 カイトとレンの場合


「兄さん、青って答えるの禁止ね」
「え? それ以外考えてなかったのに……」
「だってそれってイメージカラーみたいなもんでしょ? 好きなの当たり前じゃん。だから他の色で」
「うーん、そう言われるとなぁ。赤と緑と黄色?」
「……嬉しいけど、他にはないの?」
「えー……じゃあ、透明」
「それって色?」
「なんか、透き通ってるっていうの、綺麗じゃない?」
「うん、綺麗だけどさ」
「ねえ、そういうレンは? もちろん黄色は禁止ね」
「分かってるよ。俺は黒が好き。失敗がないじゃん、あの色」
「失敗?」
「そう、結構何にでもあうし、ワンポイントにもなるし。使い過ぎるのを気をつけさえすれば」
「服の話?」
「それ以外にも、インテリアとか」
「わー、おれ、そういうの、考えた事ないなぁ」
「だって兄さんは感性で生きてるもん」
「それって貶されてる?」
「違うよ、羨ましいなって話」


**


レンは考えて生きるタイプなので。






「人生最後の二十四時間、何をして過ごしますか?」


 カイトとレンの場合


「え? 最後? 死んじゃうの、おれ!? ど、どうしよう! 何しよう!」
「ちょっ、兄さん、落ち着いて。とりあえず、もし仮に、って話だから、これ。ネタだよ、ネタ」
「でも最後の二十四時間でしょ? 何しよう……やりたいこといっぱいあって決められないかもしれない……」
「ちなみに、そのやりたいことってたとえば?」
「えー、ダッツのアイス、箱食いしたいし、めーちゃんの料理に勝てるもの作りたいし、ミクの服一緒に探しに行く約束してるし、リンとやってるWiiのマリオも三面で止まってるし」
「兄さん、俺の名前が出てこないのはわざと?」
「うー、だってレンとはまだ全然、いっぱい遊びたいし、話したいし、一緒にいたいし」
「うん、ありがと、兄さん。俺も兄さんといっぱい遊びたいし、話したいし、一緒にいたいよ」
「あと、ね、歌、歌いたい。まだ、全然、足りてないから」
「……ああ、いいな、それ」
「うん、だからたぶん、本当に最後の二十四時間だったら、歌ってると思う」
「俺も、だな。一緒に歌ってようね、兄さん」


**


ボーカロイドですから。




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2010.03.30





















ほのぼの担当はこの二人でもいいかなと一瞬考えましたが、
どちらかというとカイト兄さんが一方的にほのぼのしてるだけだと思い直しました。