「白ご飯に牛乳。あり派? なし派?」


 圭一と悟史の場合


「俺はパス。その組み合わせだったら牛乳はラストに一気飲みする」
「僕もどっちかっていうとなし、かな。ていうか、それって給食でしかありえないよね」
「いくらカルシウムが必要だからってなぁ。それだったらまだ小魚とか食わせてくれた方がましだよな」
「ご飯にも合うしね」
「家で白飯に牛乳とか、まずないよな」
「普通にお茶いれるし、そもそも僕、そんなに水分必要としないんだよね」
「そういえばそんなこと言ってたな。なんか、喉とか通り悪くなんねぇの?」
「気にしたことない。唾液が人より多くでる、とかかもしれないけど」
「あー、そう、なのかな……?」
「……圭一、今なに思いだしてた?」
「……いや、別に?」


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ご飯食べる時にお茶とか、別に要らないと思うんですが。






「利き手はどちらですか?」


 圭一と悟史の場合


「俺は右」
「僕も」
「利き手ってそんなに気にしたことねぇからなぁ」
「うん、左利きのひとはちょっと大変そうだなとは思うけど」
「そうか?」
「ほら、グローブとか、左利き用の探さないといけないし」
「ああ、なる。言われればそうだな。ハサミとかああいうのも右利き用だと使いづらいんだっけ」
「らしいね。こうなるとやっぱり多数に埋没してた方が楽でいいよね」
「さらっと笑顔で嫌なこと言うなよ」
「じゃあ長いものに巻かれてた方がいいよね?」
「……微妙に意味が違うし、それも笑顔で言うセリフじゃねぇよ」


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二人の利き手はぐぐったけど分かりませんでした。






「好きな人のどんな仕草にドキっとくる?」


 圭一と悟史の場合


「喉を掻く仕草」
「…………悟史さん、俺それ、何でか知らないけどすっごいトラウマあるんですが。まったく以て記憶にないけれども、嫌な思い出しかない気がするのですが」
「うん、だからたぶんドキっとするんだと思うよ、僕が」
「なんで……」
「それは僕が圭一の弱っている姿を見るのが好きだから」
「うん、そうあっさりS発言されるとツッコむ気にもならないな」
「大丈夫、圭一にツッコませるつもりはないから」
「いやいや、そのツッコむじゃねぇよ、そういう意味じゃなくて!」
「うん? どういう意味?」
「悟史、てめぇ……」
「やだなぁ、何そんな怖い顔、してるの? ねえそれより圭一は? ドキッとくる仕草ってある?」
「ある、けど言いたくない」
「…………言わないの?」
「ッ、言う、言います、言うからっ! 頭、撫でるの! それが好きなの!」
「頭? これ?」
「……そう。なんか、そーやってもらうと、大事にされてる気がする」
「んー、でもこれって言ってみれば沙都子や梨花ちゃんや、それこそ詩音に対する『大事さ』と同じだけど、それでもいいの?」
「……だからドキってするんだよ」


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同時に人には自慢できない関係だという背徳感も沸き起こるから。






「泳げますか」


 圭一と悟史の場合


「泳げるぞ、俺は」
「僕も。ていうか、あの面子で泳げないとかなると、いろいろ辛いものがあるよね」
「……だよな。夏になれば確実に水泳勝負とかなるしな」
「圭一ってもやしっ子の割に普通に運動とかできるよね」
「もやしっ子言うな。俺の場合はただ出来るってだけで、よくできるとかすげぇできるわけじゃねぇからな」
「ごく稀に実力以上のことをやってのけるよね、圭一」
「そりゃ、気合いと根性でなんとかしてんだよ」
「あーそっか。いいな、そういうの。僕の場合、実力以上のことをやってる原因って、大体狂気とか錯乱なんだよねぇ」
「…………悟史、お前、怖い」


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的確な感想ですね。






「友達に『この子猫の名付け親になってほしい』と写真を見せられました。どんな名前を付けますか?」


 圭一と悟史の場合


「うぉおおおっ! なんだ、このつぶらな瞳は! くるんとした黄色い目で見られたら正気を保つ自信がないぞ! 今にもひくひく動きだしそうな鼻、ちょっと大きめの耳! これで首傾げて『にゃん』とか言われてみろ! 俺はどうしたらいいんだ!?」
「どうもしなくてもいいから名前、つけてよ」
「…………はい。ええと、じゃあ、耳がでかいから『ミミ』」
「なんかウサギみたいだね」
「悟史は?」
「僕? んー、そうだね、僕だったら『オヤシロ』ってつける」
「……なんか、とりあえず様をつけて呼びたくなるな、それは」


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圭一、テンションあがりすぎ。




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2011.03.07
















その黒猫、「なのです」って言い出さないかな。