「生まれ変わるとしたら何になりたいですか」 葉佩と皆守の場合 「ナイスバディで超美人な女宝探し屋!」 「なってどうすんだ、そんなもん」 「ん? 男たちを手玉に取りながら遺跡に潜る。妖艶な女っていいよねぇ。騙されてもいいやって思えちゃう」 「九ちゃんにそんな好みがあるとは知らなかったな」 「甲ちゃんは? 生まれ変わるとしたら」 「……猫だな」 「ずっと寝てても怒られないから?」 「まあな。遺跡に潜ってなかなか帰ってこない薄情な主人に飼われる家猫でいい」 「大人しく良い子で待ってってくれるなら、きっとその主人もすぐ帰ってくると思うよ」 ** 喉を撫でてもごろごろ言ってくれないような猫。 「プロポーズの言葉」 葉佩と皆守の場合 「宝探し屋的には、おれの人生のバディになってください、でしょ」 「一生ずっと爆弾で壁壊すの見てたり、化け物に追いかけられたりすんのか」 「スリリングでしょ?」 「……まあな」 「で、甲ちゃんは? カレー星人的なプロポーズをどうぞ?」 「カレーに絡めなきゃいけないのか?」 「カレーが絡まない人生を送るつもりがあるならいいけど」 「…………この先お前が食うカレーは全部俺が作ってやる」 「おっけーおっけー、ばっちり! おれも甲ちゃんが作ったカレー以外は食べる気、ないよ」 ** カレーが絡まない人生を送るつもりはこれっぽっちもない。 「一日だけ神様になれるとしたら何の神様になりますか」 葉佩と皆守の場合 「おれ、カレーの神様になる。そんで甲ちゃんに敬ってもらう」 「遺跡の神とかじゃねぇんだな」 「えー……神様ってことはその遺跡を守ってんでしょ? おれ、どっちかって言わなくても遺跡は征服したいタイプなんだよね。神様になるより、神様を押し倒して滅茶苦茶にしたい方だもん」 「……奇遇だな、俺もどちらかといえば神を倒したい方でな」 「そうなの?」 「安心してカレーの神でも遺跡の神でもなんにでもなれよ、九ちゃん」 ** 押し倒して滅茶苦茶にしてやるから。 「注文していたものと違うものが出てきました」 葉佩と皆守の場合 「んー、サバ味噌定食がから揚げ定食になったくらいだったら、スルーして食べるかな」 「極端な間違いじゃなけりゃ指摘するのも面倒だな」 「でも甲ちゃんはカレー頼んで別のが出てきたら変えてもらうでしょ」 「…………いや、むしろ変えてもらうとしたらその逆のパターン」 「え、なんで?」 「俺がカレーを頼まないってことはわざわざ避けたってことだろ。要するにそれなりの味だってことだ」 「ああ、なるほど……」 「口に合わないカレーを食わされるより、カレーじゃない定食食ってた方がマシだからな」 「清々しいほど潔いね、カレーに関してだけは」 ** それ以外のことに関しては推して知るべし。 「お祭りに来ました。まず何をしますか?」 葉佩と皆守の場合 「おれ、あれ欲しい、あの光るやつ」 「あー……腕に付けたりするやつか。何でまた……」 「あれ、最近ブレスレットだけじゃなくて、頭につけるやつとかもあるんだよ」 「頭? 天使の輪みたいなのってことか?」 「や、おれが見たのはヘアバンドにこう、うさぎの耳みたいな形のやつが乗ってた」 「……それが欲しいのか」 「欲しい」 「……買って頭に乗せるのか」 「乗せる」 「…………」 「甲ちゃん、買って?」 「…………別にいいけど、それ乗せて俺の隣を歩けると思うなよ?」 ** Σ(゚д゚lll)ソンナ!? ブラウザバックでお戻りください。 2014.06.03
全力のストレートな愛と遅めのフォークっぽい愛というイメージ。 |