「あなたの好きなものを教えてください」


 燐と雪男の場合


「あー? 食いもん? だったらスキヤキだろ。ぶっちゃけ俺が作ったんが一番美味ぇと思う」
「ほんと、どうして兄さんが料理できるのか、今世紀最大の謎だよ」
「うっせぇな! 誰にだって特技の一つや二つぐらいあるだろうがっ!」
「それは否定しないけど、言ってて自分で空しくならない?」
「なるよっ! なるけど無視してんだ! で、雪男、お前の好きなものは!?」
「兄さん」
「……」
「…………」
「…………あの、雪男くん、それ、続きは? 『の作ったご飯』とか」
「いや、ないよ。兄さん単品で」
「おー……なんか、ひとをマックのバーガーみたいに言うの止めてくんねぇかな……」


**


一個70円とかで。






「おにぎりを作ってください」


 燐と雪男の場合


「は? なんで急に?」
「深く考えなくていいんじゃないかな。材料用意されてるみたいだし」
「ふーん、まあいいけど。雪男、具はいつもの?」
「うん。で、兄さんが食べる分は僕が作るってことみたい」
「お前が作んの?」
「……不服?」
「……いや、別に。ほら、できた」
「僕もできたよ。はいどうぞ」
「……これ、何混ぜたんだよ」
「シラス。兄さんの脳の回転が少しでも早まればいいなと思って」
「余計な世話をどーもっ!」
「でも食べてくれるんだね」
「…………そりゃ、まあ食いもん粗末にゃできねぇだろ」
「兄さん、尻尾、すごい揺れてるよ」
「………………」


**


ちょっと不格好なおにぎり。






「恋人に言われたら嬉しい言葉」


 燐と雪男の場合


「そりゃもちろん『燐くんかっこいい! 素敵! 大好き!』だろっ!」
「…………ガキ」
「んだとっ!? じゃあお前はなんなんだよ」
「そうだなぁ……『×××××に○○○○△△△して』とか『お※※※※、ちょうだい』とか、」
「――ッ、雪男ぉおおっ! にーちゃん、お前をそんな子に育てた覚えはねぇぞおおおっ!」


**


これ、具体的にセリフを考えて伏字にしてるみたいです。






「勘弁してくれよ、と思ったことは何ですか?」


 燐と雪男の場合


「えー、何かあっかなぁ……」
「僕から答えていい?」
「あ? ああ、いいぞ、どぞ?」
「風呂上がりの兄さん」
「…………は?」
「兄さん色が白いから肌が火照るとすぐ分かるんだよね、うっすらピンク色、全身ピンク色、しかも自分に無頓着な上に寮に僕らしかいないせいか平気でシャツ1で歩き回ったりするし、尻尾も出しっぱなしだし、シャツの裾からぱたぱた尻尾揺れてるし、太もも見えるしときどきお腹も見えるし、どうせ何もわかってないだろうにそのチラ見せは何なの誘ってるの僕の理性を試してるの襲っていいの兄さん小悪魔なのむしろ天使なの勘弁してくれ……って思う」
「…………」
「兄さんは? 勘弁してくれ、って思ったこと」
「今この場、だな……」


**


大抵は我慢しきれず襲ってますが何か。






「狙っていたあの人から恋愛相談、あなたはどうする?」


 燐と雪男の場合


「あー……えぇー……あ、んまり気は乗らねぇけどまあ、本気、なら応援してやるしか、ねぇだろ」
「それで自分が振られても?」
「そりゃ仕方ねぇよ。男は諦めも肝心だしな」
「兄さんらしいね」
「そういうお前はどうすんの?」
「僕? 僕も一応背中は押すかな」
「何だ、俺と一緒じゃん」
「そうでもないよ? その前に相手の子に別の人、紹介してくっつけとくから」
「…………どういうことだ?」
「そうしたらその子は振られるわけでしょ? 傷心のところを僕が慰める、と」
「………………兄ちゃんときどき、心底お前が怖いときがあるわ」


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雪男はオチ要員。



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2012.01.14
















一時期Pixivのキャプションにあった小ネタ。
移動させてまとめてみた。