「注文していたものと違うものが出てきました」


 ユーリとフレンの場合


「ちゃんと説明して変えてもらう」
「フレンはそうだよな」
「向こうだってプロなんだから、そういうミスは指摘してあげないと」
「オレは害がない限りは放っとくけどなぁ」
「間違えられただけでも十分被害を受けてると思うけど」
「違うっつってもう一回待たされるのも嫌だし、食えたらいいだろ」
「じゃあご飯頼んだのにデザートが出されてもそのままなの?」
「そりゃ、財布と要相談。余裕がありゃ飯をもっかい頼めばいいし、ない場合はまあ勘弁してくれっつって変えてもらう」
「適当だなぁ」
「懐が広いっつってくれ」


**


デザートが出てこない場合は「害がある」そうです。






「注文していたものと違うものが出てきました」


 カロルとレイヴンの場合


「お店のひとが優しそうなひとなら言ってみる。怖そうなひとなら黙っとく」
「接客業なんだし、怖そうなひとはそういないと思うけど」
「この間受けた依頼の関係で帝都に行った時に」
「いたの、怖そうなひと」
「知らなかったんだよ、その日ユーリもフレンも休みで下町に戻ってるとか」
「あら」
「その上食堂の女将さんが風邪引いて寝込んでるとか」
「あー……」
「やっぱり行ったことあるお店の方がいいじゃん!? 下町のひとたちなら何人か知ってるひともいるし!?」
「で、行ったのね、食堂に」
「…………ユーリとフレンにお客様として扱われる怖さ、レイヴンも一回味わってみると良いよ……」
「謹んで遠慮しとくわ……」


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ステレオで「「いらっしゃいませー」」と言われ半泣きになるカロル。






「お祭りに来ました。まず何をしますか?」


 ユーリとフレンの場合


「綿あめとリンゴ飴は外せない」
「外せないんだ」
「だって、かき氷とかクレープとかチョコバナナは普通に食えそうだし」
「ああ、だから外せないんだ。言ってる意味は分かるけど、いい大人が真剣な顔をして言うセリフじゃないと思う」
「だったら金魚すくいに真剣になるか?」
「数が多い方が勝ちってことかな」
「でっかい出目金は五点分な」
「勝ったら何か良いことある?」
「……そりゃまあ、それなりに負けた方からのサービスは期待していいんじゃね?」
「それは、真剣にならざるを得ないね」
「いい大人のくせに」
「いい大人だから、だろ?」


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サービスはもちろん成人指定のやつで。






「お祭りに来ました。まず何をしますか?」


 カロルとレイヴンの場合


「ひとまず、ビールと焼き鳥ね、おっさん的には」
「ボク、フランクフルト食べたい! あとヨーヨーやる!」
「あ、良いわね。祭りといえばヨーヨー釣り」
「レイヴンもやる?」
「もちろん。ヨーヨーを釣らせたら右に出るものなし、ヨーヨーのレイヴンとはおっさんのことよ?」
「あははっ! 何それ、全然かっこよくない!」
「お、笑ったね? 一本で五個釣り上げた奇跡の腕前の持ち主を」
「五個? 絶対無理だってそれ! ていうか、五個も要らないし!」
「全部の指にぶら下げればいいじゃない」
「あはははは! 邪魔! 絶対、すっごい邪魔!」


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おっさんは普通にカロルと同じレベルでお祭りを楽しんでそう。




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2014.06.03
















金魚すくい勝負はどっちが勝ってもやることは一緒。