「今年の目標を一言で」


 ユーリとフレンの場合


「あー……じゃあ髪を切る、で」
「えっ!?」
「何で驚くんだよ」
「むしろ何でそれが目標なの?」
「や、ずっとそろそろ切ろうとは思ってたんだよ。面倒くさくてそのままにしてるだけで」
「……分かった、じゃあ僕の今年の目標はユーリに髪を切らせない」
「お前、そんなにオレの髪が好きか」
「髪も好き。面倒って言いながら伸ばしてくれてるユーリも好き」
「…………あっそ」


**


ハサミを持った後にフレンさんを思い出したらユーリさんの負け。






「今年の目標を一言で」


 カロルとレイヴンの場合


「いろいろ頑張る!」
「……少年、もっと具体的に」
「えー……いろいろはいろいろだよ。たくさん、いろんなことを、いっぱい頑張る」
「やる気なのはいいけどね? 欲張り過ぎたら疲れちゃうよ」
「大丈夫、レイヴンいるから!」
「ん? どういう意味?」
「レイヴンいたらボクいっぱい頑張れるし、もし疲れちゃってもぎゅってしてくれたらすぐ元気になれるよ」
「おっけ、分かった。じゃあおっさんの今年の目標は一日三回少年をぎゅってする、にしとくわ」
「ほんと!? 絶対だよ!」


**


ぎゅっ。






「生まれ変わるとしたら何になりたいですか」


 ユーリとフレンの場合


「ユーリの側にいるものなら何でもいい」
「オレも死んでるだろ、そんときは」
「だから、ユーリが生まれ変わったものの側にいるものってこと」
「ああ、そういう意味か。だったら鳥とか良くね? バウルに乗せてもらうのも十分気持ち良いけど、自分で飛べたらもっと気分良さそう」
「あはは、ユーリはあっちに飛んでこっちに飛んでふらふらしそうだから、ついていくの大変そうだなぁ」
「でも側にいるんだろ?」
「もちろん。太陽に近づきすぎて墜落するときも、人間に捕まって焼き鳥になっちゃうときも一緒だよ」
「食われて終わるのか、オレらの来世は」


**


終わるときも一緒。






「生まれ変わるとしたら何になりたいですか」


 カロルとレイヴンの場合


「ボク、おっきい動物になってみたいな、くじらみたいな!」
「ははっ、いいわねぇ。じゃあおっさんは一緒に泳げるような何かになっときましょうかね」
「レイヴンも一緒にくじらになろうよ」
「えー……おっさん、鰺とか秋刀魚とか、そのへんのお魚でいいわよ」
「あんまり小さいとボク、間違えて食べちゃうかもよ?」
「そしたら少年のお腹の中で一緒に生きる」


**


胃酸で溶ける。




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2014.06.03
















ユーリさんが髪を切れる日は来なさそうです。