「プロポーズの言葉」 ユーリとフレンの場合 「…………」 「…………」 「……何か言えば?」 「フレンこそ。何か言えよ」 「いや、だって、ねぇ。今さらプロポーズとか」 「だよな。わざわざ言う必要もねぇっつーか、想定すること自体無駄っつーか」 「強いて言えば、好きだよ、かな」 「プロポーズか、それ」 「でも、それだけで十分だろう?」 ** 互いに好いていることさえ分かればそれだけで。 「プロポーズの言葉」 カロルとレイヴンの場合 「ずっと一緒にいようね! ボクが幸せにしてあげるから」 「あー、もう少年が男前すぎて、おっさんメロメロだわ」 「レイヴンは? プロポーズの言葉」 「そうねぇ。死ぬときには側にいてほしい、とか? ははっ、何か恥ずかしいね」 「――――ッ」 「うぉわっ、どったの少年」 「な、なんでっ、死ぬときのこと、なのっ」 「……ああ、そうねぇ……なんでだろうねぇ」 「ボクは、レイヴンと一緒に生きたいんだよ」 「あんがと。カロルがそう言ってくれるから生きてられるのかもね」 ** 自分の生に懐疑的なレイヴン。 「一日だけ神様になれるとしたら何の神様になりますか」 ユーリとフレンの場合 「別になりたくねぇしなぁ」 「自分でなるものじゃないよね、神って」 「だよな。ああでも、まあ、フレンなら公平とかを守ってる神とかになりそう」 「公平平等精神の神ってこと?」 「正義の神とか秩序の神とか、そういう融通の利かない系」 「悪かったね、石頭で。ユーリが神様だったら、か。そうだなぁ……淫奔?」 「殴るぞ」 「殴った後に言わないで。冗談だよ。そうだね、ユーリが司ってるのは、たぶん」 「たぶん?」 「自由」 「…………」 「きっと自由に生きてる姿を僕は見てるだけなんだろうね」 「……オレにはただ帰る場所を失くしただけの馬鹿野郎に見えるけどな」 ** 自由と孤独は紙一重。 「一日だけ神様になれるとしたら何の神様になりますか」 カロルとレイヴンの場合 「神様っているの?」 「さあ。少なくともおっさんは会ったことないわねぇ」 「ボクもないなぁ」 「でもほら、美の女神とか、学問の神様とか、武術の神様とかいろいろいるらしいから」 「あ、じゃあボク武術の神様! 強くなりたい!」 「一日しかなれないんだから、一日だけ強くなっても意味なくない?」 「えー、だったらどの神様になっても一緒じゃん」 「あはは、まぁねぇ」 「レイヴンは? 何の神様になる?」 「そうねぇ、ここはやっぱりお酒の神様かしらね」 「なってどうするの? お酒いっぱい飲むの?」 「今年作られたお酒が美味しくなりますよーにって祈るの」 ** 美味しくなった酒を人間に戻ってから味わいます。 ブラウザバックでお戻りください。 2014.06.03
既に結婚しているようなものですからね、フレユリ。 |