「プロポーズの言葉」


 ユーリとフレンの場合


「…………」
「…………」
「……何か言えば?」
「フレンこそ。何か言えよ」
「いや、だって、ねぇ。今さらプロポーズとか」
「だよな。わざわざ言う必要もねぇっつーか、想定すること自体無駄っつーか」
「強いて言えば、好きだよ、かな」
「プロポーズか、それ」
「でも、それだけで十分だろう?」


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互いに好いていることさえ分かればそれだけで。






「プロポーズの言葉」


 カロルとレイヴンの場合


「ずっと一緒にいようね! ボクが幸せにしてあげるから」
「あー、もう少年が男前すぎて、おっさんメロメロだわ」
「レイヴンは? プロポーズの言葉」
「そうねぇ。死ぬときには側にいてほしい、とか? ははっ、何か恥ずかしいね」
「――――ッ」
「うぉわっ、どったの少年」
「な、なんでっ、死ぬときのこと、なのっ」
「……ああ、そうねぇ……なんでだろうねぇ」
「ボクは、レイヴンと一緒に生きたいんだよ」
「あんがと。カロルがそう言ってくれるから生きてられるのかもね」


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自分の生に懐疑的なレイヴン。






「一日だけ神様になれるとしたら何の神様になりますか」


 ユーリとフレンの場合


「別になりたくねぇしなぁ」
「自分でなるものじゃないよね、神って」
「だよな。ああでも、まあ、フレンなら公平とかを守ってる神とかになりそう」
「公平平等精神の神ってこと?」
「正義の神とか秩序の神とか、そういう融通の利かない系」
「悪かったね、石頭で。ユーリが神様だったら、か。そうだなぁ……淫奔?」
「殴るぞ」
「殴った後に言わないで。冗談だよ。そうだね、ユーリが司ってるのは、たぶん」
「たぶん?」
「自由」
「…………」
「きっと自由に生きてる姿を僕は見てるだけなんだろうね」
「……オレにはただ帰る場所を失くしただけの馬鹿野郎に見えるけどな」


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自由と孤独は紙一重。






「一日だけ神様になれるとしたら何の神様になりますか」


 カロルとレイヴンの場合


「神様っているの?」
「さあ。少なくともおっさんは会ったことないわねぇ」
「ボクもないなぁ」
「でもほら、美の女神とか、学問の神様とか、武術の神様とかいろいろいるらしいから」
「あ、じゃあボク武術の神様! 強くなりたい!」
「一日しかなれないんだから、一日だけ強くなっても意味なくない?」
「えー、だったらどの神様になっても一緒じゃん」
「あはは、まぁねぇ」
「レイヴンは? 何の神様になる?」
「そうねぇ、ここはやっぱりお酒の神様かしらね」
「なってどうするの? お酒いっぱい飲むの?」
「今年作られたお酒が美味しくなりますよーにって祈るの」


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美味しくなった酒を人間に戻ってから味わいます。




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2014.06.03
















既に結婚しているようなものですからね、フレユリ。