「一年の計は元旦にあり。今年の目標は?」


エイトの場合

「タバコ税アップの阻止」
「いきなりスケールがでかいな」
「しかもあんたタバコ吸わないでしょうが」
「つーかそもそも、世界が違うと、どうして誰も突っ込みを入れないんでげすか」


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そんなことよりもう少し消費税を上げろ、とエイトさんが息巻いております。






ヤンガスの場合

「ヤンガスはあれだ、ほら。『ゲルダに告る』にしとけ」
「な!? ク、ククール、何を勝手に!」
「お、それいいねぇ。賛成、俺もそれが良いと思う」
「兄貴まで……」
「だってさぁ、ゲルダさん、絶対お前からの告白待ってると思うぞ?」
「そうそう、彼女、自分から言うタイプじゃないし。ヤンガスが動かないと一生このままだぜ?」
「そ、そんなこと言われても……」
「二人とも何馬鹿なこと言ってるの。ヤンガスを追い詰めないで頂戴」
「ゼシカの姉ちゃん」
「ヤンガスの今年の目標は『ゲルダさんと結婚』に決まってるでしょ」
「お前が一番追い詰めてるよ」


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少年ヤンガスのゲーム、ゲルダが出るなら買っても良いかも、とちょっと思う。






ゼシカの場合

「そうね、せめて人前に出せるくらいにエイトを躾けることかしら」
「……俺、どーぶつ?」
「似たようなものでしょ。打ちひしがれるだけの神経があるなら、せめてパペットこぞうから取り上げた人形を捨てて頂戴」
「う……」
「あと、むやみやたらタンバリンを打ち鳴らすのも止めること」
「あ……」
「あとそうね、出したら元の位置にしまうこと。あんたが道具袋を漁ったあと、物を探すの大変なんだから」
「え、と……」
「靴を脱いだらそろえること、服を脱いだらちゃんとたたむこと、食事のときはこぼさず食べること。知らない人についていかないこと、知らない人から物をもらわないこと。突然歌いださないこと、踊りださないこと、駄々をこねないこと」
「……ゼシカ、そろそろ止めてやれ、エイトが泣きそうだ」


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ねーさん、色々と苦労しているようです。






ククールの場合

「ゼシカをものにする」
「目標にするだけ無駄ね」
「何だよ、やってみなきゃ分からないだろ、ハニー?」
「そうそう、男はいつも夢を見てるものさ」
「兄貴、その言い方だと絶対に目標は到達できない、って言ってるも同じでがすよ?」
「え、じゃあヤンガスはゼシカがククールに落ちると思うの?」
「いや、思わないでがすが」
「お前ら失礼な奴だな。よし分かった、目標を変える」
「あっさり変えるなよ」
「オレの今年の目標は『猫耳えっち』」
「それは誰となのか聞いても良いでげすか?」
「…………こっち見んな、こっちを見んな、こっち見てものすごい勢いで微笑むな」
「どうしてかしら、私を落とすって目標よりずいぶんと成功する可能性の高そうな目標に聞こえるわ」


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ゼシカの勘はよく当たると評判です。






トロデ王とミーティア姫の場合

「アスカンタ征服」
「…………」
「………………」
「……………………」
「どうして皆さん黙っているのです? ミーティア、何か変なこと言いました?」
「いえ、下手に発言すると国際問題になりそうで」
「国家間のことは私たちの手におえないわ」
「…………トロデ王の今年の目標は?」
「うん? わしか? そうじゃの、わしは、『今年の目標は』と聞かれてみなが口を揃えて『ラプソーン討伐』と答えるくらいパーティの士気を高めることかの」
「…………」
「………………」
「……………………」
「なんじゃ、どうしてみな黙ってしまうのだ?」
「すみません、返す言葉がないだけです」


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密かに、トロデ王も苦労の人。




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2006.09.03








拍手お礼小ネタ第十四弾。
年明けにあったもの。