「あなたの秘密をおしえてください」


エイトの場合

「秘密ぅ? えー、そうだなぁ、俺、あんまり隠し事って得意じゃないししてるつもりもないんだけど、秘密ねぇ。なんだかんだ言いつつも実はククールに惚れてる、っていうのじゃ駄目? え、秘密じゃない? 嘘だろうって? ひでぇな、ほんとなのに。八割くらいは。
 あ、じゃあ実はまだ蒙古斑がある、とか。いや、これマジだって、ほんとほんと、俺も鏡見てびっくりしたもん。は? 脱いで見せろって? いやん、えっち、ごめんなさい嘘です。
 分かった分かった、ほんとに秘密言うから。誰にも言ったことないことだからな?
 えーと、実は小さなころ一回だけ竜になったことがあります。って、自分の出生を知った今だからあれはそうだったのかなぁ、って思うだけなんだけどさ。朝目が覚めて、なんか体がおかしいなと。で、気が付いたら自分で羽を動かしてベッドの上に浮いてた。すぐに元に戻ったからあれは夢なんだとばかり思ってた」


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エイト竜化する。






ヤンガスの場合

「うー、秘密でげすか? あー、これ、本当に誰にも言わないでげすか? 絶対に? ……だったら言うでがす。
 実はアッシ、パルミドで餌をやってた野良猫が病気か何かで死んでるのを見たときに、思わずその場で泣いてしまったことがあるでげす。え? 小さいころの話かって? いやいや、パルミドにいたときだから盗賊家業をやってたころの話でげすよ、だから誰にも言えない秘密なんでげす。
 あいつ、まだ小さくてこれからもっともっと生きられたのに、って思ったらこらえ切れなくて。アッシのみーちゃん……」


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ヤンガス男泣き。
ちなみに彼はたぶん、ひよこを飼えばぴーちゃんという安直な名前をつけるでしょう。






ゼシカの場合

「本当は言いたくないくらい恥ずかしいんだけど。
 昔、サーベルト兄さんが連れてきた女の人に嫌がらせをしたことがあります。ごめんなさい。嫌がらせって言っても私小さかったから、そんなに酷いことはしてないのよ? 魔法の練習を失敗した振りしてメラを掠めてみせたりとか、そういうのだったんだから。え? 殺す気かって? まさか、そんなつもりあるわけないじゃない。
 でもだって、あの女の人も悪いのよ。側で見てたらどっちかっていうと無理やり家に押しかけてきた、って感じだったし、ベタベタベタベタ、必要もないのに兄さんに触ったりして。兄さんは優しい人だから、はっきり拒否ができなかったのね。
 そりゃもし今兄さんが生きていて、恋人を連れてきたって嫌だけれど、さすがに嫌がらせをするほど子供じゃないわ。あのときのことは本当に反省してます。
 すみませんでした!」


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ほっぺを膨らませて語ってくれるゼシカさんを想像してください。






ククールの場合

「実は背中が弱い。あ、隙があるとかそういう意味で弱いって意味じゃねぇぞ、言っとくけど。気配には敏感だから背後に立たれるとすぐ分かるし、酷いときには誰がいるのか見なくて分かるときもある。何だろうな、匂いって訳じゃねぇと思うんだけど。うーん、気配としか言いようがないな。
 そうじゃなくて、背中ね。ぶっちゃけていうと性感帯。そういう話題しかないのかって? またまた。オレがそういう話をするって期待してるくせに。
 背中ね、オレ、ほんと弱いの。ほらよくあるじゃん、背筋をつーって指でたどるの。あれを不意打ちでやられたらその場に崩れ落ちるくらい弱い。……これ、エイトには絶対言うなよ? あいつ、面白がって仕掛けてくるに決まってんだから」


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いつかばれたとき、確実にエイトにいじられる。






トロデ王とミーティア姫の場合

「秘密とな? うーむ、秘密なのだから人に打ち明けるのは抵抗があるのぅ。仕方ない、一つだけばらすとしようか。
 実は城から逃げ出すときに錬金釜だけじゃなく、わしの寝室に隠しておいたとっておきの酒も一緒に持ち出しておったのじゃ。え? 他に大事なものはなかったのかって? 何を言う、妃の写真とかも考えたわい。ただのぅ、写真は残しておってもいつかは風化するじゃろう。だが酒は生ものじゃぞ。一番美味い時期を逃したらもうおしまいなのだ。ちょうど呪いをかけられる前々夜くらいに封を切ったばかりでな、このままじゃあ風味がすべて逃げてしまうと思うといても立ってもいられなくてのぅ。
 今その酒はどうしてるのかって? エイトたちには内緒で寝酒にちびりちびりやっておるわ」


「仕方ありませんわ、こっそり今まで隠してきたことをお教えいたしますね。
 実はトロデーン城の兵士の間に出回ってるエイトの無防備な姿を捉えた写真、出所はミーティアですの。来るべき日に備えてできるだけ味方を作っておきたかったものですから。ただミーティアに動かせる金銭などいくらもありませんし、煩悩と欲望の詰まった男の方を動かすならああいう手がもっとも効果的だと伺ったものですから。ただそのうち高く買い取ってくださる方がでてきまして、今ではミーティアの良いお小遣い源になってますわ。
 一番高く売れた写真、ですか? そうですわね、可愛い顔して寝乱れてるものも良い値がつきましたけれど、一番はあれですね、まるまる一本のバナナを串にさしてヨーグルトをかけたデザートを食べているエイトの写真。
 ええもちろん、そのデザートを用意させたのはミーティアですわ」


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誰か姫を止めてください。




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2006.09.04








拍手お礼小ネタ第十五弾。
エイト竜化は書いたから、次はククールの背中弱点ネタを書きたいな。