「深い穴に向かって叫ぶとしたら何と言いますか」


エイトの場合


「魔術師しゅじゅちゅちゅーっ!」


「早口言葉かよ。しかも言えてねぇし」
「まじゅつし、しゅじゅちゅちゅー」
「だから言えてねぇって。『魔術師、手術中』だろ」
「まじゅちゅし、しゅじゅちゅちゅう」
「兄貴、さっきより更に悪くなってるでげす」
「ま、魔術師! しゅじゅちゅちゅう!」
「エイト、『しゅじゅちゅ』じゃなくて『しゅじゅつ』ね」
「しゅ、しゅじゅ……しゅじゅちゅ……」
「……分かったごめん、『しゅじゅちゅ』でいいから」


**


「新人少女歌手、新春シャンションショー!」
「『シャンソンショー』な」






ヤンガスの場合


「エイトの兄貴ッ! 一生ついていくでげすっ!」


「断る!」
「あ、兄貴っ!?」
「あー、ヤンガス泣くな、男の子だろう」
「ちょっと、エイトッ!」
「だってさぁ、一生って、俺が結婚とかして家庭を持っても、ってことだろ? 新婚家庭に入り込まれたらちょっとなぁ……」
「で、でも兄貴!」
「あ。じゃあこうしよう。ヤンガスも嫁さん貰えたら一緒に居る」
「あら、じゃあ楽勝じゃない。ゲルダさんいるんだし?」
「な、なんで、ゲルダなんでげすか?」
「だな。ヤンガスよりむしろエイトの相手の方が探すのが難しいと思う」
「そうよねぇ。問題はむしろエイトよね」
「……なんか、酷いこと言われてね?」


**


エイトに必要なのは奥さんより、お母さん。






ゼシカの場合


「いーち! にーっ! さーん! だーーっ!」


「……ヤベェ、ツッコミが出てこねぇ」
「ゼシカの姉ちゃん……お嬢さまなのに……」
「さすが体育会系」


**


右手の拳を振り上げて皆さんご一緒に。






ククールの場合


「いい年なんだから、これ以上オレの手を煩わせるなぁっ!」


「………………」
「………………」
「……ヤンガスさん、ゼシカさん、どうして俺の方を凝視なさるので?」
「いえ、別に?」
「ええ、別になんでもないでげす」
「マ、マルチェロのことかもしれないだろ!?」
「そうよねぇ。あの人も大概いい年よねぇ」
「あの人も、アホなことやってるでげすからねぇ」
「ちょ、『も』って何? 『あの人も』って!」
「ククール、保父さん属性だものね」
「苦労が絶えないでげすな」


**


エイトさん、自覚はあるようです。






トロデ王とミーティア姫の場合


「王様の耳はロバのミミー!」
「私の靴をお舐めなさい」


「…………」
「…………」
「……ちょっと待て、とりあえず、一つずつ解決していこう」
「陛下、何故そのようなことを叫ばれるのですか?」
「いやなに、『王様』といったらわしのことじゃろう? 自分の耳を『ロバの耳』とはなかなか言いにくいじゃろうて」
「だから敢えて叫ぶってことでげすか」
「まぁ、そうね。傍から見たらシュールよね。王様が『王様の耳はロバの耳』って言ってるんだもん」
「よし、そっちはそれでいいとしよう。問題はミーティア姫だ」
「だって、もしかしたらミーティアは次のトロデーン女王になるかもしれないでしょう」
「そうね、お姫さま、一人っ子だしね」
「女王さまといえば、と思うことを叫んでみたのですが、何か間違っていました?」
「間違い、っていうか、ある意味正しいんですけど、や、でもやっぱり間違って……」
「…………」
「申し訳ありません、間違ってません」
「ミーティア姫のあれ、天然なのかしら」
「天然じゃあない方に500ゴールド」
「賭けにならないわね」


**


姫は「ほーっほっほっほ!」という高笑いより、「うふふふ」という含み笑いの方が怖い。




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2006.09.06








拍手お礼小ネタ第十七弾。
何でこんな質問を思いついたのかは不明。