「もしモシャスが使えるなら誰(何)に変身しますか?」


エイトの場合

「タルか、ツボ」
「………………どうしてお前は……」
「兄貴……」
「……エイト、一応聞いておくわ。何でタルとかツボになりたいの?」
「割られる側の気持ちを理解しようと思って」
「そうね、人の気持ちを考えるっていうのは大事なことね。でもだからって、何でいきなり?」
「昨日『いつもいつも俺らのこと割りやがって!』って、大量のタルとツボが迫ってくる夢を見たから。おかげで今日は寝不足だ!」
「ラリホー」


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エイトはねむってしまった!






ヤンガスの場合

「アッシは動物になりたいでがす。できれば大きくて強い動物」
「熊とか?」
「ああ、いいでげすね、熊! ワイルドに生活したいでげす」
「ワイルドって、川で魚とってそのまま食う感じ? つか、それって今と変わんないんじゃね?」
「兄貴っ、さすがのアッシでも、生では食わねえでげす!」
「でも熊になったら生で食べるんじゃないの?」
「まさか! 焼いて食うに決まってるでげす」
「……ヤンガスは熊について何か勘違いをしてると思う」


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捌いて串さして、火で焼いて食う。






ゼシカの場合

「うーん、そうねぇ。錬金釜とか?」
「……ゼシカ、お前、エイトのこと言えねえよ。何でわざわざ無機物を選ぶんだ」
「ゼシカの姉ちゃん、何で錬金釜なんでげすか?」
「だって、そうしたら自分の好きなように錬金できるかなって」
「そういえば、うちで一番真面目に錬金してるの、ゼシカの姉ちゃんでげすよね」
「……そんでもって、一番錬金釜に蹴りを入れてるのもゼシカだよな」
「いやまあ分かるけどな。入れたものがそのまま飛び出てきたらムカつくし」
「ただの釜のくせにって思うけどさ」
「見事にローキックが入るよな、ゼシカの場合」
「いつか割れるんじゃねえのか、あの釜」
「……何か言った?」


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錬金に失敗し、ムカッときて思わず釜をけりつけ、
ちょっとずれて自分の脛を打ったりして一人で悶えていたりしたらすごく可愛いと思う。






ククールの場合

「バニーちゃん」
「即答すんなよ、何考えてんだ」
「どうせやらしいこと考えてんでしょ」
「この破廉恥野郎」
「……何も理由言ってねーのに酷くないか、それ。別に女の体をじっくり見たいとか、そんなこと言うつもりはないぞ?」
「じゃあ何で?」
「いや、だってよく言うじゃん、イくときは男より女の方が数倍気持ち良いって。だからバニーにでもなって、エイト襲ってみようかなって。サイッコーに気持ちよくさせてやるぞ?」
「バニーになって、モリーさんとこにでも行ってろ、脳味噌桃色男」


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「脳味噌桃色男」という罵り言葉が思いのほか気に入った。






トロデ王とミーティア姫の場合

「わしは鳥がいいのぅ。自分の翼で飛べたら気持ち良いのじゃろうなぁ」
「神鳥の魂で鳥になれるじゃない」
「あれは皆と一緒に、一羽になるじゃろう? 意識があまりはっきりしておらぬではないか」
「ああ、まあ確かに。一人で使ったらゆっくり自分で飛んでる感じが味わえるかな」
「なんならトロデのおっさん、今度一人で使ってみたらいいんじゃねえでげすか」
「ミーティア姫はいかがです? 何か変身したいものございますか?」
「そうですわね、ミーティアは……」
「何になりたいの?」
「……ふふ、うふふふふ」
「お姫さま?」
「馬姫さま、ものすごく楽しそうに……」
「絶対よからぬことを想像してるよな、彼女」
「……しばらくそっとしておこう」


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触らぬ神になんとやら。




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2006.09.09













拍手お礼小ネタ第二十弾。
実は記念すべき二十個目でした。