「具体的に考えてみよう」 ウィッチレディはゼシカにぱふぱふしてあげた。 しかしゼシカは勝利の笑みを浮かべている! 「私の方が大きいし弾力性もあるし、形が良い!!」 「どれどれ、確かめて……」 「あ、バカ、よしとけってエイト」 「メラゾーマ」 「……ほら言わんこっちゃない」 「兄貴……生きてっかなぁ……」 エイトは消し炭になった。 ** 基本。 樹氷の竜はいばらをからみつけてきた。 「いっ!? ト、トゲッ! トゲは痛い! 動けねぇ!」 エイトはいばらにからみつかれた! 「よっしゃ、よくやった! そのままエイト抑えてろよ」 「ちょ、ククールッ! おまっ、何する、気っ? ってか助けろよ!」 エイトはいばらにからみつかれて動けない! 「何って、ナニ」 「あ。いばらが緩んだ」 樹氷の竜はエイトに同情した。 ** これもまた基本。 リップスはヤンガスのかおをなめまわした! ヤンガスはとりはだがたってしまった。 「うはぁ、気持ち悪そー」 「あんなのに舐め回されたらしばらく立ち直れないわ」 「あー、でもよく考えてみろよ、舐め回されたのはヤンガスだぜ?」 「それがどうしたのよ、ククール」 「いやだからさ、逆にいえば、あのリップスはヤンガスの顔を舐め回したんだぜ? ヤンガスの、あの顔を」 「…………うはぁ、気持ち悪そー」 「……ちょっとエイト、それ言い過ぎ」 ヤンガスは影でこっそり泣いている。 ** だってよく考えてみろよ、ヤンガスだぜ? ドラキーマはラリホーをとなえた。 ククールはねむってしまった。 「眠るな、あほー! 起きんか、バカリスマッ!」 ククールはねむっている。 ドラキーマはラリホーをとなえた。 ククールはさらにねむってしまった。 「何をピンポイントで狙われてるんだ! 熟睡してどうする、戦闘中だろうがっ!」 「エイト、もうほっときなさいって」 「あー、畜生! 俺らだけ労働して損した気分だ!」 ククールはねむっている。 エイトの攻撃。 ドラキーマに55のダメージ。 まもののむれをやっつけた。 「おーい、ククールさーん? 終わったんですけど?」 「……起きないでがすね」 ククールはねむっている。 「……どうする、この人」 「どうするって、叩き起こしたらいいじゃないでがすか」 「ってかさぁ、俺いつも思うんだけどさ、何で俺らって戦闘中立ったまま眠れるんだろうな」 「でも眠らされていきなりバタンって倒れるのも嫌じゃない?」 「頭打つでがす」 「そうだけどさ、不自然じゃね?」 「そりゃそうでがすけど」 ククールはねむっている。 「あ、分かった! ほら、どこかの昔話にさ、戦っている途中に矢を射られて立ったまま死んだ兵士がいたってあるじゃない」 「ああ、うん聞いたことある」 「あれね、激しい運動をしたあとに急死すると筋肉が固まってその姿のまま死んじゃうんだって」 「へぇ」 「だから、私たちが立ったまま寝ちゃうのもそういうことじゃない?」 「激しく動いてるときにいきなり眠らされるから、ってこと?」 「そう」 「ゼシカの姉ちゃん、物知りでがすな」 「そりゃ、伊達にお嬢さま教育を受けてたわけじゃないですから」 ククールはねむっている。 「……それにしても起きねえな」 「起きないわね」 「起きないでがすね」 「…………置いていくか」 ククールは置いていかれた。 ** 三分後に寂しくなったエイトが迎えに来る。 ドールマスターは「愛のものがたり」を演じた。 『ああ、ロメオ様、ロメオ様、あなたはなぜロメオ様でいらっしゃいますの。』 『僕を恋人と呼んで下さい。ジュリエッタ。さすれば今日からはもう、ロメオではなくなります。』 「あー、いいなぁ。なんか、こう、憧れの恋愛っていうの? 好き合ってはいけないのに惹かれあう二人! ステキじゃない」 ゼシカはうっとりしている。 「ぶ、あ、あはははっ!! あ、あのジュリなんとかっていう姉ちゃん、バカじゃないでがすか? そんなもん、親がそう名づけたからに決ってるじゃねえか。そんなことも分からないなんて一回医者に診てもらったほうがいいでげすよ」 ヤンガスは大いにうけた。 「はっ! まだまだ子どもの恋愛だねぇ。大人の付き合い方を知らねえんだろうな。ジュリエッタが美人だったらオレさま直々に教えてやってもいいけどな」 ククールは鼻で笑っている。 「……ロ、ロメオはロメオだろ……どうやってロメオじゃなくなるんだよ……改名? あ、『恋人』って名前に改名する? いや待て、それは違うくないか……?」 エイトは混乱した。 ** 愛のものがたりっていうと、ロミジュリしか出てこない。短絡。 ブラウザバックでお戻りください。 2005.09.07
拍手お礼小ネタ第三弾。 |