「自分の行動に疑問を持った瞬間」


エイトの場合


「そうだなぁ、メタルスライムにベギラマを放ったことかな。いやいや効かねぇし、みたいな」
「その前にお前は他にも疑問を持つべき点があると思うぞ?」
「?」
「スライム相手に○×ゲームで勝敗つけよう、って迫ってるときとか」
「パペット小僧相手に人形劇を見せつけようともしてやしたよね、兄貴」
「そういえば一時期、倒したあらくれのマスク、片っ端から剥ぎ取ってたわよね」
「そういう自分の行動に疑問は持たないのか?」
「いや、全然」


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言い切った。






ヤンガスの場合


「うーん、一昨日の夜中、気が付いたら服を脱ごうとしてたことでげすか」
「何で脱ぐの? どこぞのバカリスマじゃあるまいし」
「いや待てエイト、オレを露出狂みたいに言うなや」
「何、どういうことなの?」
「ああ、いやただ寝ぼけてただけだと思うでげすよ。便所に行きたかったんでげしょうなぁ」
「あはは。お手洗い行きたくて服脱ぎ始めたの? それは気づいたら首を傾げるわ」
「でげしょう? アッシもびっくりしたでげすよ」
「一昨日って言ったら一人ずつ泊まってたときか。良かったな、ゼシカと一緒の部屋じゃないときで。そのときだったら誤解されてたかもよ?」
「しないわよ、どこぞのククールじゃあるまいし」
「それ、『どこぞの』って付ける意味、ないし。っていうか、オレを引き合いに出すの、やめて?」


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皆カリスマを何だと思っているのか。






ゼシカの場合


「…………町中でエイトを探しているときね」
「……俺?」
「そう、あんた。何で私はこんなことしてるんだろうって思っちゃうわね」
「あー……うん、分かるな、それ。すっげーよく分かる。うん」
「え? あれ? 何で? なんか、視線冷たくね?」
「どこかで騒ぎ起こしてないかとか、心細くて泣いてないかとかいろいろ考えつつ、私今、暗黒神を追いかけてる旅の途中よね? って疑問に思う」
「あまり疑問に思わないほうが良いんだろうけどな」
「でもふと思っちゃうわよね。なんで腰にパペット小僧が持つ人形をぶら下げてる子をリーダとしてるのかしら、って」
「思うよな、うん」
「この子頭大丈夫かしら、って」
「うん、思う」
「なぁ、ヤンガス、これってやっぱりいじめだよな?」
「兄貴……」


**


リーダの位置などこんなもんです。






ククールの場合


「いや、あんまりないなぁ、そういう瞬間って。前はエイトの相手をしてるときは常に思ってたけど、何かもうどうでも良くなってきたし、最近」
「俺はお前こそもっと疑問を持つべき行動があると思うけどな」
「何?」
「俺相手にことを起こしてること。別に男を相手にするのは良いが、何で俺?」
「仕方ねぇじゃん。そういう気分になっちゃうんだもん」
「『だもん』じゃねぇよ。だから、なんでそんな気分になるわけ。俺さま男の子ですよ?」
「知ってる。起つもんは起つんだから仕方ねえだろって」
「起たせんなって。そんなに溜まってんの?」
「…………分かった、お前今度、鏡プレイ決定な」
「はぁ?」
「自分がどんな風によがってんのか、しかと見とけ。あれで起たなきゃ男じゃねえ」


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ゼシカとヤンガスは口を挟む気も起きなかったらしいです。






トロデ王とミーティア姫の場合


「そうじゃのぅ、缶詰を食べておるときかのぅ」
「え? 何でそんなことで疑問を感じるでげすか?」
「むぅ、わしは国王じゃぞ? 何故に国王であるわしが缶詰など食わねばならぬのだ!」
「申し訳ありません、陛下。あの、いつもお持ちするお食事ではご不満だったのでしょうか……?」
「そうだよ、トロデ王。いつもオレら、食事運んでんじゃん。あれじゃ足りないってのか?」
「いやそういうわけではないんじゃがの。お主らの野営用に転がっておったのを試しに食べてみたら思いのほか美味くての」
「……自分から進んで食べてるんじゃないの」
「だから疑問に思うのではないか!」
「あー、はいはい。次ね、次。ミーティア姫は?」
「姫殿下は何かご自分の行動に疑問を持たれたこと、ございますか?」
「ありませんわ」
「…………あ、そう」


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姫も言い切った。




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2007.10.26













拍手お礼小ネタ第三十ニ弾。
裏の鏡プレイネタはこの拍手ネタが原因です。