「あなたが童話の登場人物になるとしたら何が良いですか?」


エイトの場合

「『はなさかじいさん』の良い方のお爺さん」
「犬を拾って来た方ね」
「あと『したきりすずめ』のお爺さん」
「雀を拾ってきたじーさんか」
「あと『かさじぞう』のお爺さん」
「お地蔵さまに笠をかぶせてあげた人でがすね」
「あと『おむすびころりん』のお婆さん」
「……なんで全部年寄りなんでがすか」
「つーか、その前に全部大判小判もらってるキャラじゃねぇか」
「物欲まみれね」


**


『おむすびころりん』ってお婆さんだったんだねぇ……
いつものことながら、どれが誰の台詞か分かりにくいなぁ。






ヤンガスの場合

「アッシはあれがいいでがす、あの『泣いた赤鬼』の青鬼」
「あー、人間と一緒に暮らしたい赤鬼のために、友達の青鬼が一肌ぬぐってやつだよな。あれいい話だもんな。オレも好きだぜ」
「私、小さい頃に読んで泣いたわ」
「友のために憎まれ役になる、素晴らしい友情でがす! アッシはああいうのに弱いんでげす」
「ああ弱そうだな」
「スキル、人情だものね」
「さしずめ赤鬼はアッシにとっての兄貴ってところでがす! 兄貴のためだったらアッシはどんなことでも…………って、ところで兄貴は?」
「馬鹿、エイトの方を見るな! せっかく人が話を向けないようにしてるんだから」
「そうよ、ヤンガス。見ちゃ駄目。あの子、今嬉々としてトラ柄パンツと青い絵の具、探してるんだから」
「目を合わせたら食われるぞ」
「………………分かったでがす」


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人間の里で暴れた青鬼を追い払ったことで、赤鬼は大好きな人間たちと暮らせるようになる、というお話。






ゼシカの場合

「『ジャックと豆の木』のジャック」
「……ゼシカ、お姫さまとかじゃないの?」
「やぁね、エイト。私がそんな柄じゃないの、知ってるでしょ?」
「でもゼシカのねぇちゃん、なんだってまたそんなキャラクタになりたいんでがすか?」
「それはほら、ジャックってあの太い豆の木を登るから」
「登った先に巨人の家があるんだったっけか? よく覚えてねえや」
「俺も覚えてないけど、ゼシカ、その巨人の家に行きたいの?」
「巨人? そんなものどうでも良いわ。私はただ豆の木に登りたいだけ」
「…………なんでまた」
「だって、あんな大きな木を登ったらすごい達成感を味わえそうじゃない? ジャックにできて私にできないはずないわ!」
「…………オレ、最近思うんだけどさ」
「何でがすか?」
「ゼシカも、エイトに負けず劣らず、変なやつだよな」


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体育会系。






ククールの場合

「あー、姫と結ばれる王子ならどれでも……って言うのは芸がないから、『白雪姫』の妃」
「またお前も微妙なところをつくな。誰も平凡な答えは駄目だって言ってねぇのに」
「一問一問に個性を出さないと、お前らの間じゃオレが目立たなくなる」
「そんな無駄な努力はどうでもいい」
「うっわ、あっさり切り捨てれらた」
「ククール、何で意地悪なお妃さまになんかなりたいのよ」
「いや、あれをやってみたい。ほら、『鏡よ鏡、鏡さん』ってやつ」
「ああ、『この世で一番美しいのはだぁれ?』って聞くやつね」
「……分かっちゃいたでがすが、あんた、本当にナルシストでがすな」
「オレは自分の容姿を過小評価しないことにしてんだよ」
「じゃあ、俺、鏡やる! 聞かれたら『断じて貴様じゃねぇ』って答える!」
「……エイト、ウキウキしてるとこ悪いんだけど、せめて娘が生まれるまでは『貴方さまです』って答えてあげなさいよ」
「ヤダ」


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この場合ナルシストというよりも、単純に『世界で一番美しいのはだぁれ?』と言いたいだけだと思う。






トロデ王とミーティア姫の場合

「童話? ふむ、そうじゃのう。『一寸法師』かの」
「『一寸法師』? うちでの小槌で大きくしてもらうやつね?」
「おっさん、やっぱり背が小さいこと気にしてたんでがすか」
「ば、馬鹿を言うな! そうじゃなくて、こう、もう少し背丈があれば見える世界も違ったじゃろうな、という」
「やっぱり気にしてんじゃねえか」
「……あの……エイトの兄貴がすごい勢いでどこかに走って行って……」
「うちでの小槌探しに行ったんじゃねぇの」
「ミーティア姫さまは? 何かなってみたい登場人物ってあるの?」
「ええと、そうですわね、ミーティアはアリさんになってみたいです」
「……アリ?」
「ええ」
「……姫さま、それは昆虫のアリか?」
「はい。ミーティアは他にアリさんを知りません」
「あ、あー。『アリとキリギリス』のアリ?」
「そう、それですわ!」
「……馬姫さまも大概妙な思考してるでがすな」
「ミーティア姫、どうしてアリになりたいの? 『アリとキリギリス』のアリって確かすごく一生懸命働いてるやつよね?」
「ええ。ミーティアは生まれたときからお城の中で暮らしていて、働いたことがありませんから」
「だから働いてみたいって? いや、そりゃ、姫さまは王族だから肉体労働はしないだろうけど」
「あ、兄貴。お帰りでがす」
「……畜生、小槌がみつからねぇ」
「ほんとに探しに行ってたの……それよりエイト、姫さまはアリになりたいんですってよ」
「アリ!? ほ、本当ですか、姫?」
「ええ」
「どうする、エイト? 王と姫の願いを叶えられる?」
「……か、かくなる上は、青い猫型ロボットを召還するしか……!」
「すんな」


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王と姫は性格がつかめてないので書きにくい上、絡めにくいです。
猫型ロボットに頼りすぎだよなぁ。




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2005.11.03








拍手お礼小ネタ第四弾。