「恋人からプレゼントされたいもの」


 エイトとククールの場合


「優しさ」
「……何だよ、オレがいつもエイトに優しくねぇみたいじゃん」
「優しくねぇよ、全然っ! いっつもぽかすか殴るし! 怒ってばっかだし! エイトくんの繊細なハートはもうぼろぼろです!」
「あー……そりゃ悪かった」
「そうです悪いのです! ククールさんはもっとエイトくんに優しくなるべき!」
「悪かったって」
「謝罪に誠意が感じられませんっ!」
「何だよ、じゃあどうすれば誠意を見てもらえんの」
「飴くれ」
「…………分かった、今すぐ買ってきて穴という穴すべてにアメダマ突っ込んでやるから、目玉引っこ抜いて待ってろ」


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「あと鼻うがいもしとけ」






「恋人からプレゼントされたいもの」


 ゼシカとヤンガスの場合


「あー……前のゼシカの姉ちゃんの答えじゃねぇでげすが、ここはやっぱり手料理とかでがすか」
「ふふ、ヤンガスって家庭的なのに弱そうよね」
「なんつーか、味とか出来以前に、アッシのために作ってくれたってのがこう、いいでげすな」
「ああ、分かるわ、そういうの。見えないけど結局気持ちなのよね」
「そういうゼシカの姉ちゃんは?」
「そうねぇ、私も私のために何かしようとしてくれてる、って気持ちだけで十分だったりするわ。どんな形であれ」
「まあ欲しいもん貰えたら嬉しいでげすけどね」
「そうね、『恋人から』って言葉がなかったら、単純に可愛い服とか新しいピアスとか、色々出てくるけど」
「ゼシカの姉ちゃん、耳飾り、欲しいんでげすか」
「今つけてるの気に入ってるんだけどね、ちょっと石に傷が入ってるから」
「へぇ……まあ、似たようなの探しといてやるでがすよ」
「あら、ありがと。じゃあ私はヤンガスの新しい武器を買うよう、エイトに交渉しておいてあげるわ」
「そりゃ助かるでげす」


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新しいの欲しくても言いだせないヤンガス。






「おにぎりを作ってください」


 エイトとククールの場合


「これっくらいの! おべんとばっこに!」
「おい、エイト」
「おっにぎり、おっにぎっり、ちょいっとつっめて!」
「こら待て、そこの空洞」
「……頭の中がってことか?」
「ご名答。つか、んなことより、それ、何」
「何って、お前ひとの話聞いてなかったの。おにぎり」
「おかしいだろ、どう見てもおかしいだろ、なんで茶色メインなんだよ、つか、米どこいったよ!」
「ここ」
「なんで割った中から米が出てくんだよ! 具と米の割合が逆だバカッ!」
「おかか、いっぱいの方が嬉しいじゃん」
「それ食うのオレなんだよっ! お前はオレを塩分取り過ぎで殺す気か!?」
「大丈夫、こっちのククール作の混ぜご飯おにぎりは俺がちゃんと食っとく」
「ああ、いい笑顔だな、お前はっ! そのまま喉に米詰まらせて死ね!」


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冴えわたるツッコミ。






「おにぎりを作ってください」


 ゼシカとヤンガスの場合


「いいわよ、おにぎりね。家にいたころは何もできなかったけど、旅に出てちょっとはできるようになったんだから」
「ゼシカの姉ちゃん、具はここから選ぶみてぇでがすよ」
「あら、たくさんあるわね。ヤンガス、何がいい?」
「あー、そうでげすね、シャケとか、ああ、あの昆布も美味そうでげす」
「ふふ、じゃあ二つ作るわね」
「ゼシカの姉ちゃんはなんにしやすか」
「んー、お任せするわ。中身が分からない方が楽しみがあるじゃない?」
「ああまあ、そりゃ作った人間にもよると思うでげすよ……」
「……そういえば前、どっかのバカがロシアンおにぎりってやってたわね……」


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外れを自分で引いてたらしいです、そのバカ。




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2012.01.14
















まったく学習しない馬鹿と、
したくもない学習(ツッコミスキルをマスター)をしてしまうエロ僧侶。