「お風呂に入る時に、どこから洗いますか？」


　エイトの場合


「…………」
「まあ、ぱっとは出てこないよな」
「意識しないものね」
「兄貴？　分からねぇなら別に答えなくてもいいんじゃ……って兄貴？」
「ちょっと、あの子どこか行っちゃったわよ？」
「あー、ありゃあ宿の部屋の方だな」
「宿？」
「何か忘れものでもしたのかしら」
「いや、違うな、あれはたぶん」
「たぶん？」
「……」
「…………」
「………………」
「左腕からだったよっ！！」
「風呂入りに戻ったんだよ」


＊＊


ばたばた髪から雫垂らしながら戻ってきて、「ちゃんと拭きなさい」とゼシカに怒られる。




　ヤンガスの場合


「アッシは腹でげすね」
「ぶはっ」
「何で笑うのよ、エイト。別にいいじゃない、お腹から洗っても」
「っ、だって、やっぱり、一番目立つとこから洗うのかなって……っ」
「あはははっ！　目立つ、うん、目立つ目立つ」
「ヤンガス、とりあえず二人は殴っておくから」
「あ、ありがとうでげす、ゼシカの姉ちゃん」


＊＊


残念なことに、あながち間違ってない推測。





　ゼシカの場合


「肩かな。マッサージも兼ねて」
「へぇ。それが真実かどうか、是非ともこの目で確認したいところだね」
「黙れ、歩くセクハラ」
「おま……ッ、詠唱なしのジゴスパークって……ッ！」
「エイト、そのままククール、ボコっといていいわよ」
「ゼシカの姉ちゃんって肩こりとか酷いんでげすか？」
「酷いって方じゃないと思うんだけど、重いのよ」
「重い？　何がでげすか？」
「コレ」
「…………ああ」


＊＊


ちょっと赤くなって目をそらすヤンガス。





　ククールの場合


「あー、髪だな。確か上から順に洗った方がいい、みたいな話をどこかで聞いた気が」
「大切にしてんだな、髪の毛」
「残り少ないものね」
「いっそのこと剃っちまえば気にならないと思うでげすがね」
「……相変わらずそっちのネタに持ってくんだな、お前らは」


＊＊


諦め気味。



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2009.05.05
















「歩くセクハラ」という罵り言葉がお気に入り。
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