聞くのも照れくさいから。


(幻水TK:主リウ)


 いろいろな意味で直球勝負の多い少年が相手であるため、自分を好いてくれているのだということは言葉にしてもらわなくても十分に伝わってくる。彼はそう思った時にはっきりと口にするし、あまりにも真っ直ぐ言われるため聞いてるこちらが照れてしまうことの方が多い。愛情を安売りするな、と照れ隠しに言ってみても、安売りはしてない、と返される。

「リウ限定だからな」

 さらりと告げられた言葉に続く「好きだぞ」という言葉。何回も何十回も耳にしているというのに、未だに鼓膜を震わせるそれに頬が赤くなる。ほんとすげぇ好きだからな、とまだ重ねようとするレッシンへ、「もういい、分かったから」と言ってみるが、「オレが言いたいから言う」と突っぱねられた。

「リウ、好きだ」

 両腕を捕えられ、逃げることも許されない。言葉の矢に射抜かれ、縫いとめられ、このままここから動けなくなってしまうのではないかと錯覚してしまいそうで。

「――――っ」

 くしゃりと顔を歪めれば、「あ、」とレッシンは嬉しそうに笑う。

「その泣きそうな顔もすげぇ、」

 好き、と何度受け取っても慣れない言葉を聞くのが照れくさくて、使えない手の代わりに己の口で少年の口を塞いでみた。
 けれど。
 うっすらと開いた視界のなかで目の前の男がにやり、と笑んだのが見えて、これはこれで恥かしい行為だとなんとなく気が付いたけれど、伸びてきた舌に口内を弄られ、結局何も考えられなくなってしまった。




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2012.04.25
















これはこれで青春バカップル。

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