何も恥ずかしくないはずだ。


(幻水TK:主リウ)


「いや、恋人でも恥ずかしいだろ」

 恋人なのだから恥ずかしくないだろう、と主張する少年へ、呆れた視線を向けて答える。むしろ恋人だからこその恥ずかしさも加わるわけで、より一層羞恥心は増すと思うのだけれど、どうにも彼には伝わらない。

「だって、もう何回もヤってんじゃねぇか」

 リウのちんこ、何回見たと思ってんだ、と言われ、恥ずかしさと呆れと怒りとが綯い交ぜになって頭痛を覚える。はぁ、とため息をついて額を押さえたリウを前に、「今更だと思うけどなぁ」とレッシンは心底不思議そうに首を傾げていた。本当にこの男の感覚は一般からずれすぎている、とこういうときに痛感する。

「ほかの誰かとヤれっつってる訳じゃねぇんだし」
「ったり前だ、ばかっ!」

 そんなこと言ったらそっこで別れるからな! と声を荒げれば、「んなことやったらソッコで捕まえて閉じ込めるから」と返されベッドに撃沈した。もうやだこのひと、とシーツに突っ伏して泣くリウへ「嫌っつってももう離してやんねぇえけどな」とレッシンは笑う。実際のところリウとて離れる気はないのだけれど。

「いいからほら、オレ、見てみてぇんだよ、」
 リウがオナってるとこ。

 再び最初の話題を蒸し返され、いろいろと考え直した方がいいのかもしれない、とほんの少しばかり、思わなくもない。

「オレが手ぇ出すと夢中になっちゃってあんまお前の顔とか見れねぇしさ」

 だからじっくり見たい、と言われてますます身体が固まってしまう。エロ顔を見せろ、と求められはいどうぞ、と差し出せるひとがいるのだろうか。

「なん、なんでっ、レッシンいるのに、ひとりでとか……っ」

 そもそもすぐそばに恋人がいるというのに、ひとりで耽るだなんて空しすぎるではないか。気持ちよくなるのなら一緒がいい、と泣き落としにかかろうとすれば、「ひとりが嫌なのか?」と尋ねられ嫌な予感を覚えた。いやだから、と言葉を補う前に、だったら、と猪突猛進で若干羞恥心に欠ける団長がベッドの上にすくり、と立ち上がる。

「オレもやるから、リウもやれよ」

 止める間もなくさっさと下肢の衣服を下着ごと脱ぎ去ってしまった。ちょ、おま、なんですぐそうやって脱ぐの、と言いかけた文句は、眼前に晒されたモノを前にどこぞに吹き飛んでいく。

「…………なん、で、お前、」

 臨戦態勢なの、と視線を反らせて言えば、あぐらをかいて座り込んだレッシンは当然、とばかりに笑って言った。

「んなの、お前がシコってる姿、想像したからだろ」

 だからほらリウもやれよ、という言葉が少し熱を持っているような気がする。恐る恐る顔を正面に戻し、ちらりと伺い見ればレッシンは既に自分の性器へ指を絡めて擦り上げはじめていた。

「ッ、リウ、ほら……」

 少し乱れた吐息に熱っぽく自分を呼ぶ声、勃起した性器を擦りあげる手。
 ぞくん、と背筋をはい上がる痺れに押されるように、リウの手はいつの間にか、自分の股間へと伸びていた。




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2012.05.24
















……まだ表!

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