愛、節約中。 (TOV:フレユリ) 恋に恋する十代の少女でもあるまいし、会わない期間が多少長引いたくらいでどうにかなるような関係ではない、とそう思っている。たとえ何がどうなったとしても、世界滅亡レベルの大惨事が起こったとしてもそれは事実であり、永遠などあり得ないと理解している脳のなかで唯一別枠としてとらえられている事柄でもあった。 四六時中側に居たい、と思っているわけではない。そんなのは死んでも御免だ、と思うほどではないが(もし仮にそうなったとしても、それはそれで耐えられそうな気もするのは絶対に誰にも言えない秘密だ)、少なくとも「会えないと寂しくて死んじゃう!」と泣くほどでもない。 そもそもそんなことを身長百八十の二十歳を過ぎた男が言っても、気持ちが悪いだけだと思う。 けれど、他の誰とも違う特別な存在だからこそ、家族や友達というだけでなく「恋人」という関係になっているわけで、やはりそれなりに、顔を見ない期間が長くなればなるほど多少は精神的にダメージが募るわけである。それが、久しぶりに会えるはずだった予定が空振りに終わってしまえば尚更で。 ふぅ、と小さくため息が零れてしまうのも仕方がない。 腹立たしさは湧いてこない、相手も望んでこうなっているわけではないと重々承知しているから。むしろあの男は終わらない仕事と終わらせられない自分に腹を立てていそうだ、と考え、少しだけ頬が緩んだ。 瞳をハートに光らせ、ピンク色のオーラを纏って会いたいと乞うようなキャラではないけれど、それでも大切に思う相手と会うことが出来なければ寂しい。 そう思うのが自分だけではない、と信じているから。 だから、次の機会を待つことができる。 それまではこれで我慢しといてやるよ、と呟いて、胸元から引っ張りだしたシルバーリングへ小さなくちづけを一つ。ここに詰め込まれた愛が空っぽになる前に、次が訪れることを期待しよう。 ブラウザバックでお戻りください。 2012.04.09
フレンさんもおんなじようなことをしてる。 リクエストありがとうございました! |