エイトくんと竜骨の迷宮 「ごめんククール。カリスマスキルが全然役に立たないとか言って悪かった。悪かったから、さっさと生き返ればかっ!」 目を離した隙に、僧侶が死んでました。 「何死んでんの、お前! そりゃたしかにザオラル俺も使えるけど! 僧侶お前! 回復は僧侶の役目でしょ! あと、魅惑の眼差し、すっげー強いんだから、死なれたら困るの!」 「うるせぇな、死んだことは詫びるよっ! 詫びるけど! だったらもうちょい早く回復してくれよ! お前よそ見してたろ、三本角の竜の骨、探してたろ!」 フォートからの写真依頼のなかに、この洞窟のなかで、三本の角をもつ竜骨があるから撮ってきてほしいというものがあるのだ。竜骨の迷宮と呼ばれるだけあり、なるほど多くの巨大な骨(竜の骨らしいがそれが確かなのかどうかは分からない)が転がっている。しかし、その頭蓋が抱く角はほとんどが二本だった。「見つからないー」と少年リーダが困っていたことをククールは知っている。 戦闘中、力尽きてしまったことは確かにククールにも非はある。まだ鍛錬が足りないのだ、と反省しきりだ。けれど四人で(ゼシカは無事に戻ってきている)戦闘を行っているのだから、自分ばかり責められるというのはどうだろうか。 そう怒鳴り返す正面で、エイトはしかし、視線をククールの背後のほうへと向けている。ひとの話を聞いていない。 「だから、三本角探しはあとにしろって、」 「いや、そうじゃなくて」 お前の後ろにメタルキングがいる。 言葉の意味を理解すると同時に「早く言えよっ!」と振り返るものの、逃げ足の速い銀色の巨大なあいつにはまんまと逃げられてしまった。 ブラウザバックでお戻りください。 2016.07.19
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