エイトくんとキャプテン・クロウ


「これ! この上に書いてあるタイトル、『エイトくんとエロ海賊』に訂正してくれっかな! あの海賊、うちのゼシカをエロい目で見やがって!」
「……そこ怒るんだったら、ゼシカに『ぱふぱふ』させるの、止めてやれよ」
「でもだって、効くんだもの!!」

 あの海賊幽霊は一体何をどう勘違いしたのか、毎ターンうっとりと気持ち良さそうにしているのだ。スキルとしておいろけを上げているゼシカも、最初の内は面白がって『ぱふぱふ』をしていたが、回数が増えるにつれ「このひと(の頭)、ほんとに大丈夫かしら」とむしろ同情的な視線を敵に送るようになってしまった。
 エロ海賊(エイト談)がうっとりしている間に全力で殴りつけたため、大したダメージを受けることなく倒すことができた。正直褒められてもまったく嬉しくない勝利である。
 けれど、必要なものは手に入れた。これで旅に先に進むことができるようになるだろう。

 そうしたところで、海賊の攻撃を受けて気を失っていた女盗賊ゲルダが、仲間としてついてくることになった。

「あはは、これは知らない展開だ!」
「だから兄貴、そういうことは言わないほうが」

 仲間が増えるのは良いことだ、トロデ王の言うとおり、馬車の護衛として残る人間がいてもいいと思っていた。もちろん大歓迎です、とヤンガスの昔馴染みだという女性へ手を差し出す。
 握手を交わしながらエイトはにっこりと笑顔で歓迎の言葉を告げた。

「ようこそ! 『エイトくんと愉快な仲間たち団』へ!」
「そのパーティ名には全力で異議を申し立てる」




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2016.07.19