エイトくんと闇の遺跡 完全に忘れてるわね、とゼシカが呆れたような視線を向けてくるのも仕方がない。上陸した小島で向かう先は分かっているにもかかわらず、まったく関係のない道を進んでしまっていたからだ。それも二度も。地図をよく見れば、暗雲の立ち込める場所がどこであるか分かるはずなのに、だ。 えへ、と笑ってごまかしつつ、ようやく遺跡の前までたどり着いた。にやり、と笑った道化師の顔の怖さに泣いてもいいだろうか。 「入っても無駄だっつーのは分かってんだけどね」 「たぶん話が進まねぇでげすから」 気は進まなかったがとりあえず道化師を追いかけて遺跡を進み、笑い声に怯えたところで外へ放り出される。いつの間にやってきていたのか、見覚えのない三人組が遺跡の外にはいた。「君たちが先に行くから」だとか言っていたが、生憎と初対面である。ギャリングの部下なのだろうな、と思ったら案の定その通りであった。たぶん上陸するあたりでちゃんと見つけて会話をするイベントがあったんでしょうね、とゼシカが呟いている。 彼らの話を聞くに、闇を払う魔法の鏡があるという。それを使えば遺跡内部まで進めるかもしれない、と。 「サザンビークかぁ……」 行きたくねぇなぁ、とエイトが呟き、ほかのメンバもまたあまり面白くなさそうな顔をしている。今の時点では知らないはずだとか、そういうツッコミを置いといて、ひとまずあの王子の相手をしなければならないという事実に、ずっしりと気持ちが沈むのも仕方がなかった。 ブラウザバックでお戻りください。 2016.07.19
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