エイトくんとにゃんこ写真の旅


「トラペッタとポルトリンクとトロデーンな!」

 にゃんこ系魔物とツーショットをとらなければならない、と突然エイトがそう宣言した。「〜しなければならない」という言い方ではあるが、実際には「〜したい」という願望にすぎないことを皆が理解している。
 くだらなさすぎるが、駄々を捏ねられても面倒くさい。写真を撮れば満足するのだから、実際に時間はさほどかからないだろう。
 ってことで連れてって、とククールにねだってくるのも、カメラ役がいなければ、彼自身をフレームにおさめられないからではあるが。

「なんで未だにルーラを執拗にオレにさすの? お前、覚えただろ」

 レベルの関係で、スキルポイントがこれ以上格闘に振れず、エイトは今勇気スキルも並行して上げていた。旅立つ勇気を手に入れて最初に覚える呪文が移動魔法なのである。
 つまり、彼も今はルーラを使えるわけで、MP1しか消費しないそれを使うのを惜しむ意味が分からない。ククールとしてもさほど疲れることではないため、言われたら連れて行ってやるくらいはしてもいいのだけれど。
 素直にルーラを発動させながら尋ねた疑問に、エイトは当たり前のようにさらりと答えた。

「カリスマの存在価値を少しでも高めるために決まってんじゃん」
「そろそろオレはお前をぶん殴ってもいい気がしてる」




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2016.07.19