エイトくんとピンクのじんめんじゅ


「薄いピンクのじんめんじゅが現れるらしいんですけど」

 見当たりませんね、とキラーパンサーの背中に乗ったまま、少年がぐるり、とあたりを見回した。じんめんじゅをたくさん倒すと出現するそうである。
 倒した数は問題ないはずだ、どういうシステムになっているのか分からないが、どこかの誰かがきっちりカウントしてくれているため間違いはない。けれど、しばらく駆け回ってみてもそれらしき姿はまるで見当たらなかった。

「つーか、そもそも広すぎる気がするでがすよ」
「だよな、『ベルガラック地方』ってだけじゃきついぜ」
「いくらキラーパンサーがいてくれるとは言ってもね、もう少し絞り込んでもらいたいわ」

 今までも特殊な魔物の写真をリクエストされてはきたが、どれも出現場所がそこそこ限られていたのだ。今回はククールがぼやくとおり、『ベルガラック地方』という言葉だけで、正直広すぎて途方に暮れている。

「目印はあると思うんだよなぁ」
「兄貴、どんな目印でがすか?」
「いや、ほら不思議な木のあたりとか、海辺の教会のあたりとか、それこそベルガラックの近くとか」
「ああ、近くに何もない平原のど真ん中にってわけじゃないってことね」
「そう願いたいもんだな」

 ちなみに未だにピンクのじんめんじゅは発見できていない。
 どこにいるかご存知の方、ぜひとも教えてください。




ブラウザバックでお戻りください。
2016.07.19